きっかけはカラフルな、、、 6

タンジー ページ4

水曜日、重岡さんから奥さんの浮気調査を依頼したとメールがきた。



『友達と尾行したって写真見せたら、めちゃくちゃ褒められた！

今週末の土日の2日間で証拠が揃いそう。』



って。



重岡さんは、平日はまた真っ白。



無実、潔白。



金曜日、



『明日は珍しく本当に休日出勤！！

しかも、朝から晩まで！！

結構大きな仕事任せられてて、めちゃくちゃ頑張らないとあかんねん！！』



土曜日、



『彼女は朝9時に家を出た。

探偵さんにも連絡したら、駅前で先週と同じ車に乗り込んだらしい。

オレは今から仕事、行ってきます！！』



平日とは違いラフな普段着姿でマンションを出る重岡さんをカメラに収める。



『おはようございます。

旦那様、今、マンションを出られました。』



意味のない虚しい報告を写真と共に送る。



日曜日、



『昨日がんばり過ぎたのか、ちょっと体調不良。

今日は一日家でのんびりする予定。

ちなみに、彼女は朝8時には出てったよ。』



体調不良！？



重岡さん家に向かうために駅を出たところだったから、慌てて電話番号を表示する、、、いや、、、電話してどうすんねん、、、。



『大丈夫？食べる物ある？』



迷って送ったのはそれだけ。



『ありがとう。うどんでも食べる。』



いてもたってもいられない。



最初で最後、、、今日で最後だから、、、。



コンビニでスポーツ飲料やゼリー、レトルトのお粥なんかを買い込む。



『熱、出てない？玄関扉にスポーツ飲料とかかけといたから。お大事に。』



非常階段のところに隠れて様子を伺うと、メールを送ってすぐに扉が開いてパジャマ姿の重岡さんが出てきた。



廊下をキョロキョロ見渡してる。



パジャマって、ほんまに具合が悪いんやん。咳もしてた。



そんな具合が悪い旦那を家に残して、奥さんは、、、って思うと悔しい。



オレが、、、いや、、、。



奥さんにメールを送ろうとしたら、丁度送られてきた。



『主人からは体調が悪くて寝ているという連絡がきました。

家に呼ぶつもりかもしれません。よろしくお願いします。』



呆れて、腹が立って、涙が出てきた、、、。



『わかりました。』とだけ送り、駅前のカフェに入る。



こんなんでも仕事、依頼主のために、数時間に一度は確認をしなくてはいけない。



それと、、、もし、重岡さんの体調が悪くなってSOSがあったときすぐに駆けつけられるように、、、。

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