きっかけはカラフルな、、、 1

ペールクロッカス ページ25

緑


セクハラ、何ハラ、なんでもありの世界。



まぁ、自分で選んで入ったんやから仕方ない。



普通のファーストフードやコンビニのアルバイトでは稼げない。



ホスト？



そういうキャラ違う。



もっと稼げる仕事があるのも知ってる。



けど、それは嫌だ。



自分を隠して金を稼ぐ、、、この仕事を選んだことに後悔はない。



基本はベテランさんのテーブルにサポートで入る。



店長には未成年って言ってあるから、酒は飲めへんし。



「弱いから烏龍茶で。」



ってキャラも浸透してきた。



多少のお触りも軽くいなして笑える。



相手は酔っぱらいや。



腕つねって、



「もう〜、あきませんて！お触り禁止！」



頬っぺた膨らましてやったら、ヘラヘラ謝ってボトルを入れてくれたりする。



明日も朝は1限から授業だ。



帰って何時間眠れるだろうか、、、課題もあるのに、、、。



店内の時計を見て今日もため息を付く。



帰り道、オカンからのメールに返信する。



体調を心配するメール。



『大学はほぼリモート。

今後は多少授業もあるみたいやけど。

居酒屋のバイトで賄い食べてるから食べ物には困らんし、元気やで。

オカンも気を付けて。』



嘘、、、にはもう慣れた。



東京の大学に行かせてくれているだけでもありがたい。



特待生で大学の授業料免除されているとはいえ、実家にはまだ妹達がいる。



ほんまやったら就職して、実家に金入れなあかんのに。



そう、、、お金のため。



今日も社長の青木さんが何でも食べろって言ってくれたから、ガッツリパスタとパフェ食べてやったし。



ほら、それもお客さんの金やん？



出さしてなんぼ。



オレは酒飲まれへん代わりに、晩飯とデザートをおねだりする。



それもキャラ？



苦学生キャラも定着し、この前自転車ももらった。



「いただきま〜す！！」



って頬張って、



「ごちそうさまでした〜！！」



って抱きつく。



そういう趣味はないから、お金のため。



さっきまで被っていたウィッグの跡が痒くて、頭を振りながら夜道を急いだ。

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