きっかけはカラフルな、、、 1

ハンターグリーン&ターキーレッド　 ページ3

「で、そのデパート限定の商品から作ってみるって？」



あの日はしばらく話して、コーヒーショップを出た。



連絡先の交換をして。



抱えている仕事の合間に企画書作って、時々くる重岡さんからのメールに迷っていること相談した。



ひと月ほどして、できた企画書を部長に見せた。



「はい。

そのデパートで反響があれば、他の店舗さんにも広げていけたらなと思っています。

他人と同じものじゃなくて、ちょっとオシャレで良いものを持ちたいという大人が増えているとアンケート調査で上がっています。

みんなマスクして、リモートも多いですが、そんな働く環境だからこそ、テンション上がる文房具があれば売れると思うんです。」



昨日の夜、電話で重岡さんに聞いてもらった部長へのプチプレゼン。



「うん。ええん違う？

お客さんのその感覚、売り場でも感じるし。」



って、重岡さんの言葉が今の心のお守り。



「ウチのこのペン、そんなに値段高くないよ？

高い万年筆とかと並べたら見劣りして、手に取ってもらえないんじゃないの？」



「そこです！ポイントは！

高くて良いのは当たり前。

ウチの商品は、誰にでも手に取ってもらえる値段設定です。

けど、品質には自信あるじゃないですか？

だからこそ、少し色味を大人向けにして売り出せば、いけると思うんです。」



部長も驚いている。



こんなに熱心に自分からプレゼンしたのは初めてだから。



「う〜ん、、、じゃあ、試作品いくつか作ってもらって。工場に。」



「ありがとうございます！

色味だけだから、今月末には上がってくると思います！」



「さては、工場にも確認済みかな？」



「実は、、、同期が研究室の方にいるんです。

で、色味の相談等させてもらってます。」



「わかった、わかった。

全国規模の新商品っていうわけじゃないから、ま、やってみよう。

これで上手くいけば良し。

ダメでもそんなダメージはない。

社内的にもいい実験かもね。

上の方にはオレが出しておくから。」



「ありがとうございます。

早速、進めさせていただきます。」



廊下に出てすぐにメールを書く。



昼間やし、仕事中なのは知ってる。



けど、どうしても1番先に伝えたい。



画面をタップする指が早く、早くと急かす。

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