あの海が見える場所 21

Yokohama 緑 ページ32

「無視はせんって約束したやんけ。」



って。



「ごめん。


そんなつもりは、」



「当てたろか？」



2人の距離は1メートルほど。



街灯はあるものの暗い。



けど、シゲの表情だけはよく見える。



「ごめん、電車乗ってて気付かんかった。


とかなんとか言うて誤魔化すつもりやったやろ？


仕事帰りやったら、、、。


って、ごめん。


自分で言うてて虚しい。


オレ、昼飯ほとんど食べられへんかってん。


生徒指導で。


だから、めっちゃジャンキーなん食べたい。


ビールにハンバーガー的なやつ。


駅んとこちょっと行ったところにあるよな。


そこ付き合うて。


拒否権はないで。」



二の腕辺りをグーで押して、笑ってる。



「寒いのに待ってくれてたん？


連絡、」



連絡くれたらよかったのに、って言いかけて気付く。



「連絡してもほら、神ちゃん無視するやんけ。


だから、一か八か。


ストーカーみたいやな、って待ちながら思ったけどな。」

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