あの海が見える場所 21

Yokohama 緑 ページ27

少し笑みさえ浮かべたその表情にオレは困惑する。



以前話したときは、忘れられない者同士、なんてことを言った。



なのに何故、、、。



この数週間の間に、、、。



「オレにもな、お見合いの話きたんよ。」



「え？中間さんに？」



「そう。アイツのときと一緒。


親父の会社をより大きくするため。


本社はアメリカって言ってたかな、、、。


オレより3歳歳下らしい、その子。


早ければ、春にも」



「それでいいんですか！？」



思わず中間さんの言葉を遮って叫んでいた。



一瞬驚いた顔した中間さん、次の瞬間には穏やかな顔でこう言った。



「そ。それが神山くんに言いたかったこと。


『それでいいん？』って。


このまま、彼の気持ちも自分の気持ちも蓋して。


お友達？


無理やろ。」



「中間さんは、、、それで、どうするんですか、、、？」



ふぅ、と息を一つ吐いて立ち上がった中間さんは窓から外を見ながら、



「オレは結婚する。


オレにはうちの会社全ての社員を守る義務がある。


別に心配いらんで。


会社の業績が悪いわけやない。


ただ、オレが結婚することでもっと大きな規模で、、、そうやな世界的な規模で仕事ができるねんで？


神山くんも例えばヨーロッパ支社とかハワイ支社とか。


勉強なるで。」



オレには背を向けたまま。



声だけは明るく言った。

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