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2016 17 ページ10
その時、目の前をハイヒールを履いた女性が通り過ぎた。
先輩のネット記事を思い出す。
息を呑む。
シゲ、自惚れかもしれへんけど、この前握られた手からシゲの決意が伝わってきたよ。
だけど、あかん。
だから、あかん。
オレは、、、話なんて、ない。
吐き捨てるように言って、歩き出す。
前から来るメンバーに向かって。
そこからは、ひたすらライブに集中する。
集中するオレを演じた。
移動中も、リハーサルでも、ホテルでも。
アイドルという�猝鬮瓩貌�る。
演じる。
シゲはもう声をかけてこない。
視線は感じる。
痛いほど。
やから、優しいお兄ちゃん達に甘える。
二人きりにならないように。
気を抜くと、目で追ってしまいそうになるから。
気を抜くと、オレの本心が出てきそうだから。
利用してるみたいでごめん。
でも、演じさせて。
精一杯がんばるから。
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作者名：まさか
| 作成日時：2021年2月28日 11時
