あの日の記憶《約ネバ》 (ページ3)

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星とノーマンページ3

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真夜中…そうだな、多分2時くらい。

カンテラをもって廊下を歩いているとその先にAをみつけた

彼女がいる方向にはトイレも食堂もない…どこに行くんだろう。

…放っておけない

｢A｣

『ノーマン!どうしたの？』

｢それはこっちのセリフだよ、
灯りも持たないでどこいくの？｣

『星を見に行くの！』

新月の日は特別綺麗なんだ〜とほけほけ笑うAの周りは冬だと言うのに暖かい

｢ならせめて灯りを持たないと｣

真っ暗な廊下を何も持たずに歩くなんて怪我をしに歩いてるようなもの
Aは少し抜けてるから特にね。

『ふふ、でもノーマンが明かりを持ってるからもう危なくないね』

｢え？｣

『ん？一緒に星を見るんでしょ？』

僕の手をひいて歩くAにどうしようもなく顔がゆるむ

当たり前に僕がついて行くと思っている所にきゅんと胸がなった

｢…いってもいいの？｣

『もちろん！一緒に見よ！』

カンテラの灯りを消して２人で夜空を見上げる

普段夜に空を見上げることがなかった知らなかったけど、Aの言う通り新月の星空はとても綺麗だった

『あーあ、格子窓じゃなかったらもっと綺麗に見れるのに！』

｢こればっかりは仕方ないね、夜は外に出られないし…｣

ちぇ、と不貞腐れたかと思うと次の瞬間にはもう笑顔

コロコロと変わる表情がおもしろい

『ノーマン!ピッキング！』

｢だめ、ママに怒られる｣

『けち』

また不貞腐れた
不満げに尖らせた唇すらかわいくて…

じゃあ私がピッキングを習得するしかないのか…なんて独り言をいうAの横顔を見つめていると彼女が不意にこっちを向いた

あ、頬と鼻の頭が赤い

『ねぇ、ノーマン
この先さ、２人共里親にだされたらその時は…』

｢うん｣

『また2人で会って星を見ようね！今日のリベンジ！』

丘の上で満点の星空を見よう！その時はたくさん食べ物も持ち寄ってめいっぱい楽しもうね
ああ、今から楽しみだなぁと笑う

｢…でもお互いにどこにいるのかわからないんじゃないかな｣

『そんなの私が見つけてみせるよ！』

太陽の様な輝く笑顔

僕はこの眩しい笑顔に憧れて、恋焦がれてる。

『だから約束ね！』

｢うん、約束｣