あの日の記憶《約ネバ》 (ページ1)

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ひとりの食卓ページ1

7歳くらい設定。

朝、目が覚めるといくつも並んだベッドには誰もいなかった。

次に時計を見た。えーと…8時…

『ねぼうしたあああ！』

なんで誰も起こしてくんないの！
と叫びながら寝巻きもそのままに慌てて食堂に駆け込むAであったが無情にも食事は終わったあとで机の上はきれいさっぱり片付けられていた

『誰もいない…』

静かな食堂に小さな声が溶ける

すると聞こえてくる靴の音

｢おはよう、お寝坊さん｣

『ママ…おはよ』

｢揺すっても呼んでも起きなかったよ？
A昨日夜更かししたでしょ？｣

ママは寝坊をした子供対しても決して怒らずあくまで優しく視線を合わせて問うた

『してない…』

きゅ、とAの眉間にシワがよる
これは嘘つく時の癖、ママはしっかりと見抜いている

｢本当に？｣

すると居心地悪そうに忙しく目線を動かした、
この時点では2人の視線は決して絡まらない

『んーと、ちょっとだけ…
でもだって!みんなが寝る前に怖い話をするから怖くって…ごめんなさい』

しっかりと目を見て謝った。

少し前であれば隣にノーマンのベッドがあったからそこに忍び込んで寝ていたA

しかし6歳を迎え部屋移動をしてからというもののノーマンとは別室になり
右は壁、左隣は9歳のレナという位置に落ち着いていた

しかし運の悪いことにその頼みの綱のレナもつい昨日旅立って行ったばかりで隣には誰もいなかったのだ
そんな中始まる年長者の怖い話、
元々"その手の話"が苦手なAはただただベッドの中で震えていた。

｢全くAは怖がりさんね。
明日からはまたちゃんと起きられる？｣

『うんっ』

｢朝食の用意をしてあげるから、着替えてきなさい｣

『ありがとうママ！』

Aがママに抱きつくと｢仕方の無い子ね｣と言いたげに眉を下げるがその口元は緩んでいた。