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やがて走り疲れ、息が続かなくなり目の前にあった石像の影に座り込む
だいぶ離れられた、と思う。ただちゃんとした道もないしこの山について何も知らないから断定は出来ない。
それでもこれ以上は無理だし丁度いいから少しここで休憩しよう
自分の呼吸の音と心臓の音が嫌に響く。しかしそれ以外の物音はしない。
安心なはずなのだがどうにも落ち着かない
一体どうして、
「そりゃ落ち着かんやろ。神社からこんな離れたはずの所にぽつんと不自然に狐の石像があるんやもん」
ひゅ、と喉が締まる音がした。
後ろから私のいつの間にか落としたりんご飴を食べながらオスマンさんが現れる。
「な、…んで」
「階段がなくなってたのにまだ気づかんの？
ここはもう現実世界とは離れてること。今いるのは俺の作った世界だから、今は君がどこにいるか知るなんて赤子の手をひねるより容易いんよ」
登る前みたのはどう考えても山だし実際階段を上がってきたのに、これだけ走っても一切坂道がなく平坦なわけが無い。そんなことはあの時気づいていたが認めたくなかった。
彼はパチンと指を鳴らして、先程まであった狐の石像を消した。
「追いかけっこはもうすんだやろ
なぁ俺と一緒に行こう、Aちゃん」
あぁ、名前ぐらい教えても大丈夫だろうなんて甘い考えだった。名前こそ一番教えちゃダメなのに。
もう体は言うことを聞かず、吸い込まれそうなほど鮮やかな彼の目から目を離せない。
彼の瞳に映った私はそこに囚われたように見えた。
「はい」
指一本も自分の意思では動かせず自分の考えとは真逆の返事をしてしまった。
その瞬間ふっと空の闇が流れ、昼が現れる。
これでもう完全に元の世界とは切り離されたんだろう
「これで誰にも邪魔されないなぁ。やっと君を手に入れられた」
「やっと…？」
混乱する私を見て神様は心底楽しそうに笑った。
「ほんまはずーっと前、もう3歳の頃から君を見てた。可愛い子がおるなって。今日神社にきてくれた時は嬉しさで発狂するかとおもったわ。
だから予定を少し早めて攫わせてもらったん｣
その笑顔はもはや神様と呼べるようなものではなく、ひたすらに狂気があった。
誰を恨んでももう遅い。
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透水(プロフ) - 孔雀石さん» 畏まりました！遅筆なので時間かかってしまうかもしれませんが気長にお待ち頂ければ幸いです…！こちらこそありがとうございます (2019年11月29日 9時) (
レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 透水さん» 連投で申し訳ございません。どちらも好きでたまらないのですが、2個目の方が特に、ですね...!ぜひ気が向いた時にでもお願いしたいです。ありがとうございます! (2019年11月29日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです…!続きとはciさんの2つ目の話の方でしょうか…?リクエスト貰えるのは嬉しいので是非御気軽にどうぞ！拙い文章ですがこれからもどうぞよろしくお願いします (2019年11月28日 13時) (レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。すごいどれも素敵なお話で心臓がギュッてなりました...特に、推しということもありciさんのお話がとても好き...!主が可哀想なお話が好きなのでぜひ続きをリクエストしたいほど...!これからも頑張ってください。応援しています! (2019年11月28日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透水 | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2019年7月22日 1時
