きっと最後には【ci】 ページ31
乖離【ci】の続き
_________
あれから彼と話す機会も無く、出かけるはずだった日曜日は何もせずダラダラと過ごして終わった。
暗い事ばかり考えていたし笑った記憶もない
しかし今日はそんな最悪とも言える日曜より更に憂鬱な月曜日
もちろん彼に会えるのは嬉しいけれど、同時に彼から線引きをされているようなあの感覚は私の知るどんなものより心を抉るのだ
それが痛くて痛くてたまらないから学校なんて行きたくなかった
「おっAやんおはよう！」
突然頭の中に入ってきた声に、思考停止する。
聞き間違える訳もなく幼なじみの声だ
急いでこのどんよりとしているであろう雰囲気も考えも捨てるように笑顔を作った
「おはよう！」
いつもは集まりがあるんだとかなんだとかで私より早く学校に行っているのに、なぜこんな所にいるのか不思議に思い聞くと、彼は「昨日の疲れのせいか寝坊してん」と爽やかに笑った
今日も変わらず誰もが見惚れるような笑顔だなぁと考えていると彼は何か思い出したように
「あ、ちょっと待ってな」
と言ってカバンをゴソゴソと漁り出し、袋を引っ張り出した
「ほら、これAにお土産。一緒に出かけられなくてごめんな
こういうの好きやんな？｣
渡された袋の中から入っているものを取り出してみると、それは可愛らしいイルカのストラップだった
「わぁ…！可愛い、わざわざありがとう！」
私がイルカが好きなんて言ったのをまだ覚えていたんだろうか
喜びを噛み締めながらじっくりと見ていると、ふとタグに目がいった
それは私の心を凍らせるには十分だった
タグに書かれている水族館は二人で行こうと誘っていた場所だったから
私との約束をドタキャンして、彼らと一緒に行ってきたのか
なんで私は、
どうして彼らは
その後に続く沢山の黒くて醜い言葉が脳内いっぱいに広がる
「…どうしたん？」
「え？あ、ううん、なんでもないよ」
その汚い思いを全て否定して仕方ないんだと言い聞かせることに夢中になっていれば横から声がかかって意識は現実へ戻された
心配はいらないよと笑顔を向け、それでいつも通りの会話に戻ると思ったのだが彼は複雑な顔で黙り込んでしまった
…私の考えていたことがバレたのか？
その考えにたどり着いた瞬間冷や汗が首を伝う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 畏まりました！遅筆なので時間かかってしまうかもしれませんが気長にお待ち頂ければ幸いです…！こちらこそありがとうございます (2019年11月29日 9時) (
レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 透水さん» 連投で申し訳ございません。どちらも好きでたまらないのですが、2個目の方が特に、ですね...!ぜひ気が向いた時にでもお願いしたいです。ありがとうございます! (2019年11月29日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです…!続きとはciさんの2つ目の話の方でしょうか…?リクエスト貰えるのは嬉しいので是非御気軽にどうぞ！拙い文章ですがこれからもどうぞよろしくお願いします (2019年11月28日 13時) (レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。すごいどれも素敵なお話で心臓がギュッてなりました...特に、推しということもありciさんのお話がとても好き...!主が可哀想なお話が好きなのでぜひ続きをリクエストしたいほど...!これからも頑張ってください。応援しています! (2019年11月28日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：透水 | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2019年7月22日 1時
