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ゆっくり歩いていたつもりだがそこまで遠くもないから5分ほどで生徒会室に到着した。
道中で何も起こらなかったことに安心したが胸騒ぎは収まらない。安心を上回る不安が込み上げてくる。
…いや、何を不安がっているんだ。大丈夫。
それにこそなんの根拠もないのに自分に言い聞かせ、無理やり気持ちを抑え込む
そして自分を落ち着かせるため1度深呼吸をして、威圧感のある扉をノックをしようと手を伸ばした時だった。
「お前っ、あの子の気持ちも考えや！！あの子は前世のことなんてなんも知らんのにっ！｣
中からそんな声が聞こえ体が動かなくなる。
脳みそは考えることを拒んで、嫌な予感でしかなかった胸の小さな黒い影は大きくなってうずめきはじめる。
そうして足元が崩れていく感覚の中、今度は聞きなれた別の声がした
「前世の記憶がなくたってあいつはあいつやん
俺は今でもあいつの事が好きやで。それが間違ってるいうんか」
前世、とか。馬鹿じゃないのって笑い飛ばすのが普通だろう。
私もそうしたかったのに、今までの彼の態度が心を突き刺して事実を認めさせようとする
私が今まで感じてたものは気の所為なんかじゃない。だって彼が知っている事は全て思い出で、私の事は何も知らないじゃないか
頭の中で響く自分の声が私の首を絞めて苦しい。
どうにか声を消そうと頭をふるが、声の代わりに告白をされたあの日のことがフラッシュバックしてきた。
「俺Aが好きやねん」
思えばこの時だって彼は私のことなんて見てない。
告白すら私にとっては透色だった
私には声や容姿だとかがいくら似ていても、育ちも記憶も学んだことも違うならそれは私以外の別人であるようにしか思えなかった。
刹那、目の前の扉が開かれ意識がそちらへ引き出される。
扉を開けた彼も、中にいた数名も全員が驚いた顔でこちらを見ていた。
今も私を写さない彼の瞳は何より残酷だった
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透水(プロフ) - 孔雀石さん» 畏まりました！遅筆なので時間かかってしまうかもしれませんが気長にお待ち頂ければ幸いです…！こちらこそありがとうございます (2019年11月29日 9時) (
レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 透水さん» 連投で申し訳ございません。どちらも好きでたまらないのですが、2個目の方が特に、ですね...!ぜひ気が向いた時にでもお願いしたいです。ありがとうございます! (2019年11月29日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです…!続きとはciさんの2つ目の話の方でしょうか…?リクエスト貰えるのは嬉しいので是非御気軽にどうぞ！拙い文章ですがこれからもどうぞよろしくお願いします (2019年11月28日 13時) (レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。すごいどれも素敵なお話で心臓がギュッてなりました...特に、推しということもありciさんのお話がとても好き...!主が可哀想なお話が好きなのでぜひ続きをリクエストしたいほど...!これからも頑張ってください。応援しています! (2019年11月28日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透水 | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2019年7月22日 1時
