拒絶【tn】 ページ3
「A
なにそれ。なにしてん」
今一番聞きたくなかった友人の声が、教室の入口から聞こえた。自分の机に大量に書かれていた落書きを消す手がぴたりと止まる。
誤魔化せないと気づきなからささやかな抵抗として彼から机を隠すように立ってにっこりと笑う。
「なんでもないよ」
だから早くどこか、何処でもいいからいって。
彼はその思いに気づいていないのか、それとも無視をしているのか、教室から出る様子はなく顔をしかめ口を開いた。
「そんな嫌がらせされて、なんでもないわけないやろ。なんで俺を頼ってくれへんの
友達なんやから、もっと──」
彼の言葉は一切の悪気をもたないのに私を責める。
頼らないことも、なんでもないっていうことも、そうするしかないだけだ。
これ以上彼女達を刺激する行動とられるのもごめんだし冷めた目を向けられるのもうんざり。
そもそも、こうなったのだって彼のせいなのに。
いつからかそうやって親切を迷惑に思うようになって、こうなったのを全部彼のせいにする。
こんなのは全部八つ当たりだ。
でもどうしたらいいのかわからないのだ。自分の感情の抑え方すら分からなくなっていた。
「もうやめてよ！！
分かってるでしょう？全部あなたのせいなんだよ。そうやって私に構うから、いつまでもこんなくだらない事が続いてるの！
親も親でいじめなんて情けない、それよりもトントン君より成績が低いって、もっと彼は出来るのにって私の話なんて聞かずに毎日毎日私を責める
貴方が憎い。間違ってるってわかってても、憎くてたまらないの。
だから私のことを考えるならもう、関わらないで」
彼のただの善意がひどく歪んで見える感覚が嫌いで、でも彼といる限りこの感覚はどうやっても切り離せないから
初めから私たちは一緒にいるべきじゃなかったんじゃないかと思うのだ
だからひどくショックを受けた顔をしている彼を置いて教室を出た
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 畏まりました！遅筆なので時間かかってしまうかもしれませんが気長にお待ち頂ければ幸いです…！こちらこそありがとうございます (2019年11月29日 9時) (
レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 透水さん» 連投で申し訳ございません。どちらも好きでたまらないのですが、2個目の方が特に、ですね...!ぜひ気が向いた時にでもお願いしたいです。ありがとうございます! (2019年11月29日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです…!続きとはciさんの2つ目の話の方でしょうか…?リクエスト貰えるのは嬉しいので是非御気軽にどうぞ！拙い文章ですがこれからもどうぞよろしくお願いします (2019年11月28日 13時) (レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。すごいどれも素敵なお話で心臓がギュッてなりました...特に、推しということもありciさんのお話がとても好き...!主が可哀想なお話が好きなのでぜひ続きをリクエストしたいほど...!これからも頑張ってください。応援しています! (2019年11月28日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：透水 | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2019年7月22日 1時
