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普段遠距離攻撃のチーノは攻撃を食らうことも少なく、痛み耐性も高くない。
表情は見えないが背中を丸め痛みに耐えているのがわかる。あぁ、どうしよう。
チーノがこのまま私の前からふっと消えてしまう映像が脳裏によぎり怖くなった。
「いやだ、チーノいなくならないで
私にそんな価値ない、こんなことしなくたっていいから」
私より自分のことを大切にしてほしい。これ以上傷つかないでほしい、だから私の事なんて守らなくていいのに
私の言葉を聞いたチーノはばっと振り向いた。その顔は顰められ、怒っているのがわかった。
「なんでそんなこと、いうんや…
そんなことしたら、何の為にここまでやってきたのかわからんやんか…」
彼が私に返事をしている間に、もう一度こちらに攻撃が飛んでくる。それを最後の力を振り絞った彼が、目の前で全て受け止めた。
ふらりと私の方に倒れ込み、反射的に手を出した自分の掌に付く真っ赤な血。
それに、耳元にある口から息をしている様子がない。
頭が真っ白になって動けない私に、仲間が指示を飛ばす
「ッおい、ぼーっとしてないではよペ神のとこ連れてけ！！」
「は、はい！」
ペ神とはこのパーティーの治癒や蘇生の担当しているメンバーで、その魔法はとても評判が良く、至る所から勧誘を受けている程。この状況では何よりも頼りになる人だ
自分とは離れた場所で仲間にヒールをかけていた彼の元へ急いでチーノを連れていくと、汗をたらりと流しながら1つの呪文を丁寧に唱え始める。
蘇生魔法は生物の理に逆らう魔法だから、使い手の精神と体力と魔力の全てをとても消費する危険な魔法。
時間もかかり、成功率だって他のどの魔法より低い。
彼の力を信じていても嫌な考えばかり頭に浮かんで落ち着かない。
数分後、彼は呪文を唱え終わりチーノの様子を見ていた。
「う…」
チーノは2人に見つめられる中、ゆっくりと目を開け意識を取り戻した。その途端緊迫していた周りの空気は一気にゆるくなったように感じられた。
「ふぅ、完了」
「…あぁ、ペ神さんありがとうございます」
お礼を言って、自分の手を動かして確かめているチーノ。
気をつけろと真剣に怒るペ神さん。
それを見つめるだけの私。
この世界では
呪文ひとつで君を生き返らせることが出来る。
呪文にはなによりも力があるから。
だから
呪文ではできない、人の心を動かすことの出来るただの言葉すら持て余す私には結局なんの価値もなかったんだろう
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透水(プロフ) - 孔雀石さん» 畏まりました！遅筆なので時間かかってしまうかもしれませんが気長にお待ち頂ければ幸いです…！こちらこそありがとうございます (2019年11月29日 9時) (
レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 透水さん» 連投で申し訳ございません。どちらも好きでたまらないのですが、2個目の方が特に、ですね...!ぜひ気が向いた時にでもお願いしたいです。ありがとうございます! (2019年11月29日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです…!続きとはciさんの2つ目の話の方でしょうか…?リクエスト貰えるのは嬉しいので是非御気軽にどうぞ！拙い文章ですがこれからもどうぞよろしくお願いします (2019年11月28日 13時) (レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。すごいどれも素敵なお話で心臓がギュッてなりました...特に、推しということもありciさんのお話がとても好き...!主が可哀想なお話が好きなのでぜひ続きをリクエストしたいほど...!これからも頑張ってください。応援しています! (2019年11月28日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透水 | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2019年7月22日 1時
