呪文ひとつで【ci】 ページ14
この世界では誰でも魔法というものが使える。
大体の人間はその能力を生まれながら持っていて、火や水、光など魔法の種類は多岐にわたる。
魔法は当人のランクによって使える技の種類やら威力やらが変わるが、火を扱うものは火の能力だけであることが一般的。
しかし、稀にいる生まれつき魔法の才能に恵まれる人だといくつもの能力を持っている。
彼ら能力複数持ちは周りからは尊敬の目を向けられ、ほとんどの場合パーティーの中心となる。
パーティーとは、モンスター退治をするために集められたグループのことである。
この世界には多数のモンスターが人を襲うので、その対策として勇者という役職が設けられている。
まぁそれも動物と話せる能力の私には無縁の話。
そう思っていたが、気づいたら私はその勇者の中でもトップクラスのパーティーに入れられていた。
なぜそんなことになったか？
それは私の所属するパーティーのメンバーでもあり、幼なじみであるチーノの仕業だろう。
彼とは小さい頃から何処へ行く時もいつも一緒だった。
彼の才能は周りとは比べ物にならないほど飛び抜けていて、弓の腕も凄く何度私を守ってくれたか分からない程。
いつか彼はパーティーに誘われ、私はそのまま町娘としてそれなりに暮らし、必然的にバラバラになるんだろうと思っていた。
だから彼がパーティーに誘われた！といった2日後ぐらいに許可は貰ったからAも一緒に行こうと言い出した時はさすがに耳を疑った。
結局上手いこと言いくるめられて私もパーティーに入ってしまったけれど。
今でも昔と同じように、モンスターにでくわした時は一番に私のことを気遣って非力な私を庇うように前に立つ。
私はそれが申し訳なくて、自分の魔力の弱さを何度恨んだことか。
その日もいつも通り依頼を受けモンスターと接敵していた。
いつもの様に皆の無事を祈るしか出来ないのでせめて邪魔にならないよう陰に隠れていたら、周りの木々よりも大きいそのモンスターの目が此方へ向いた。音を立てた訳でもないし、私に気づいた理由は分からない。敵意が明らかにこちらに向いて、私は驚きと恐怖で声も出ず腰が抜けた。
次の瞬間、モンスターの出した技がこちらへ飛んできた
「うぐっ…！！」
「ひっ、チーノッ！！」
来ると思った痛みは、私の前に立った彼が弓で受け止めた。
しかし弓で全てを受け止められる訳もなく、彼の腰辺りからどくどくと鮮やかな血が流れ出した。
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透水(プロフ) - 孔雀石さん» 畏まりました！遅筆なので時間かかってしまうかもしれませんが気長にお待ち頂ければ幸いです…！こちらこそありがとうございます (2019年11月29日 9時) (
レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 透水さん» 連投で申し訳ございません。どちらも好きでたまらないのですが、2個目の方が特に、ですね...!ぜひ気が向いた時にでもお願いしたいです。ありがとうございます! (2019年11月29日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです…!続きとはciさんの2つ目の話の方でしょうか…?リクエスト貰えるのは嬉しいので是非御気軽にどうぞ！拙い文章ですがこれからもどうぞよろしくお願いします (2019年11月28日 13時) (レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。すごいどれも素敵なお話で心臓がギュッてなりました...特に、推しということもありciさんのお話がとても好き...!主が可哀想なお話が好きなのでぜひ続きをリクエストしたいほど...!これからも頑張ってください。応援しています! (2019年11月28日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透水 | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2019年7月22日 1時
