↓ ページ11
小鳥のさえずりが私の意識を覚醒させた。すぐに昨日のことを思い出しゆっくりと周りを見渡したが状況は何も変わっていなかった。
昨日と何も変わらず悪臭がして、肉塊が散らばっていた。
見渡した時に気づいた昨日亡くなる前母が机の上に用意したであろうご飯に近寄ろうとした所、机からラジオを落としてしまった。その衝撃で電源の入ったラジオから伝えられた、この国が降伏したことやこの街の状況。
戦争の相手国だった人の演説が静かな家によく響いた。
そして、その国の幹部の名前も耳に入ってきた。
しばらくそのままぼうっとしていたが、何にも考えず、そして気づかないでいるために、私は再び絵を描きに行った。
エミさんがいてくれればいいのになんて思いながら。
一週間が経っても、未だ綺麗になる様子のない街に、減っていくのみの食料。それでも日中はいつもと同じ場所で彼を待っていた。
あなたは今無事なのですか。
どこにいるのですか。
できることなら、
この群青でまた
あなたに会いたい。
見たくないものに蓋をして、都合の悪いことを知らなかったことにして
もう何日も青く澄んだ空の絵を描いている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 畏まりました！遅筆なので時間かかってしまうかもしれませんが気長にお待ち頂ければ幸いです…！こちらこそありがとうございます (2019年11月29日 9時) (
レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 透水さん» 連投で申し訳ございません。どちらも好きでたまらないのですが、2個目の方が特に、ですね...!ぜひ気が向いた時にでもお願いしたいです。ありがとうございます! (2019年11月29日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
透水(プロフ) - 孔雀石さん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです…!続きとはciさんの2つ目の話の方でしょうか…?リクエスト貰えるのは嬉しいので是非御気軽にどうぞ！拙い文章ですがこれからもどうぞよろしくお願いします (2019年11月28日 13時) (レス) id: 2d62d7baf3 (このIDを非表示/違反報告)
孔雀石(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。すごいどれも素敵なお話で心臓がギュッてなりました...特に、推しということもありciさんのお話がとても好き...!主が可哀想なお話が好きなのでぜひ続きをリクエストしたいほど...!これからも頑張ってください。応援しています! (2019年11月28日 0時) (レス) id: efda21e4ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：透水 | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2019年7月22日 1時
