隣の部屋の小悪魔くん (青) 完

久しぶりの友 ページ21

「あ、」






『あ！あーっ、Aー！！久しぶりっ』






「香澄ー！元気してた？」






香『元気元気！ちょー元気！』






仕事帰り、コンビニに行くと、

高校の時に仲良かった香澄と5年ぶりに再会した。


その隣には背の高い男の人。






香『いつ帰ってきたん？』







「つい最近かな」







香『行ってくれたらお迎えしたのに』







「あは、ごめんね。こちらの方は？」







倉『大倉忠義です。市ケ谷さんとは同じ会社で』







香『優秀な部下なり！』







「錦戸です」






香『今から帰り？じゃあ一緒にご飯食べよ！』







「え？」







香『いいよね？』







倉『うん、全然』






香『おーし、決まり！じゃあ今からうちね』






.




.





.





.






私達がお酒を飲みながら昔話に花を咲かせてると、

大倉さんがご飯を作ってくれた。






香『んー、美味しっ』







「こら香澄、いただきますは？」







香『あはー、それで怒られんの久しぶり笑』







倉『ふふ、笑』







「いただきます」







倉『どうぞどうぞ』







香『それでA結婚したん？』







「…っごほ、なに急に」







香『私ら27やん？したんかなーって』







「あー…、笑」







倉『香澄、デリカシーない』







香『え？あ、ごめん』







「いいよいいよ。結婚してないし、彼氏もおらん」







香『えー、勿体無い。A可愛いのに』







「可愛くないよ、笑 こんなばばあ」







香『…なんか言われた？誰かに』






初対面の大倉さんの前でこんなこと言うん恥ずかしいけど、

お酒で気が大きくなって。






「元カレに可愛げがないって」







香『そっか…。Aの良さに気づけん様な人とは別れるべき。

好きな人もおらんの？』








「好きな人、か」







コトン、と机にビールを置いて。


頭に出てきたのは安田くん。




え、なんで今…。







香『…その様子じゃ、お主いるな？』








「いや…、好きではない、と思う」







香『とは？』







「自分でも…、よく分からん。でも、ないと思う」








香『ん？なんで？』







「…私27だもん」

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