悪女チックなメイクヌナ。 (ページ11)

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わたしの大好きなミンソクが出ている映画を見ながら少しボーッとしていると、日がすっかり暮れていることに気付いた。

『みんなももう、収録終わっただろうな～』

アイドルが番組出る時間は短い。ものの5分くらいだ。

だが、リハーサル及び撮り直しや衣装合わせ、メイクなどの準備があるから大体朝早く出勤する。

何事もなく出番が終わるとホッとすると同時に、疲れが一気にのしかかってくる。

アイドル達が疲れるのも勿論、スタッフも疲れるのだ。

『収録が7時に終わる予定だったから…もう着替え終わっている頃かな？』

〈好きだ…ただ君が好きなんだ…雪が降ったあの日から…〉

さっきから10回くらい巻き戻して見ていた大好きな俳優の黄金シーンももう飽きてしまった。

何をしてても彼ら関連のことを考えてしまうのもやはり心配だからだろうか。

その時突然、電話がかかってきた。
登録していない番号で。

イナ「もしもしっ？…っオンニ！なんでイナにメイク落とし教えてくれなかったんですかっ！メイクとスタイリングの掛け持ちで忙しいミナオンニの役に少しでも立ちたかったのに…」

キムさんよね。ミナかなぁなんて期待してた自分を叩きたい。

『電話番号なんで知ってるの？キムさん、メイク落としってメイクになる人はみんな当たり前のように出来てるの、わかる？キムさん学校卒業したんでしょ？習ったよね。あとキムさんががメイクなんだよ、ミナじゃないよ？』

ミナオン二掛け持ちだよね～じゃあやらせよ～。みたいな考え方に呆れ、怒りを覚える。

あと、どこから番号入手したのか聞きたい。

イナ「…はぁー！？もうAオンニなんて知らないっ！電話番号も消してやるし、メンバーにも言いふらしてやるからっ！
あともう、パパに言っちゃうから！知らないっ！」

逆ギレキムさんのお父さんがどんな権力者なのか知りもしないので気にしないことにする。

消してやるって、登録してたんだ。一体全体どこから手に入れたんだろう…

急にかけてきて急に切る、キムさんにはそんなこと言う暇がなかった。

『大変だ…まぁ、なんとかなるか。』