最初で最後の復讐。

‘ 過去のこと ページ5

殺人鬼と言われた理由は、父と母が母のライバル女優が殺された日に、現場の近くにいて、殺害を疑われ、テレビではまるで本人達がやったように誇張して放送したからである。









「あほらし。」と母は言ったが、




記者なんて沢山家に押しかけて来たし、母や父が家を出るたびに









「殺人鬼はとっとと芸能界やめろ！」






なんて言われてたし、私は学校で







「Aちゃんって、殺人犯の娘なんだよね。近づくのやめよー。」









と言われたりしていた。









母と父は私がそのようなことを言われてるのを見て、自分を責めた。








「あの日、あの時。あの場所にいなければ…」









抱え込んだ母はある日、屋上から飛び降りた。












その他にも、その当時話題持ちきりだった【 女優 パク・ジス 脱税か！？ 】なんて視聴率のために作ったんですか？というようなでまかせを世間に知られ、本人はすごくやつれていた。











プレッシャーもさぞかし重かったのだろう。








そんな母を追って、父までも。











私は、何もできなかった。









父と母がこの世からいなくなった後に、殺人犯が自首をし、事件は終結した。








しかし、テレビでは過去のこととしてあまり取り上げられず、見ていない人の間では未だに母と父が犯した罪だと思っている人も多から少なからず、いる。










私は、許せなかった。無実の人間にネットなどで誹謗中傷をし、住所をのせ電話番号を載せ、悪口を沢山書き、父と母を追い詰めた人間を。












そんなことをした人が、まさか芸能界にいて、 母の中の良い同業者だとは思っていなかった。








ユン・ガジュン。殺された女優の婚約者だった俳優。









なんでも、結婚寸前だった彼女を殺したと言われてた母と父が許せなかったらしい。









葬儀の時、彼は私に近づいて来た。私はてっきり謝られると思っていたが違かった。








「Aちゃん？残念だったね。…でも良かった。ライバルが1人減ったねぇ…」














ニヤッと笑った彼に恐怖を覚えたのと同時に、怒りも覚えた。











そして、復讐してやろうって。決心し、街中を歩いて見つけた元事務所のオーディションを受け難なくクリア。









私は晴れて練習生になった。

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