独り言ちるまで ページ9
「うわあああ…手持ちぶさたになってしまったよテクタイトォ…」
新しい朝の、またそんなAのぼやきは扉の外のテクタイトに届くはずも無く、ただ水滴が水面に落ちる音が声に被さった。
静かなだけあって良く響く。
そして有り余った時間は残酷な程Aの好奇心を満たせやしなかった。
…再び完全な静寂が戻り、A一人の空間に聴こえるのは水の流れる音と、静かにそっと溜まっていく音と、自分が動いて立てた音のみ。
たくさん色々な音が聴こえてはいるのだが、一つ一つがとても小さく、すぐに消える。
それが一層、忘れようとした寂しさを際立てた。
しかし、孤独はAにとってもう慣れている事でもあった。
重力に身を任せ、背中から水へ飛び込んだ。
ザバァッと盛大な音が立ったのが水中を通し曇って耳に届き、
真っ白い泡が溶けて消えると視界に入るのは波打ちグラグラと歪む天井のみだった。
無抵抗に体が底に向かって沈んで行くのが分かる
泳ぐもせず、足掻くもせず、Aはただじーっとしてゆっくりと底に向かって沈むのを待っていた
すると、視界にはAの両の手のひら。
ダークリンクさえ不快感を露にしたほど、異様な穴の開いた手のひらだ。
しかしそれもじきに水へ溶け見えなくなるだろう
自分で言うのもアレだけど、気持ちが悪い見た目が直接は見えなくなるから、数日間でもここでじっとしておこう。
ただ安静に。
暫くそのまま身体が底に向かって沈むのを感じていたが、それでも続くこの巨大水槽のような部屋ではまだ底に辿り着く事は無く、ただ光が届く範囲で留まる形になった
着いても底は薄暗くて好きじゃない。
そして体勢が安定し、水中でただ、ぼうっと静かに考えていた
(…ダークリンクは、勇者の影。
なら、勇者ってのもあんな感じなのかな)
未だ触れられた時の感覚が残る背中。
ひんやりとしてて、冷たかった。
一瞬だけ触れた手は力強く、とても不機嫌そうで、怒っているのかとも思ったがその手は、あくまで感情的ではない、反射的なものに思えた。
ダークリンクは、魔物の中でも警戒心が強く、攻撃的な故だろう。
もしかして、敵とみなされてしまったのだろうか。
だとすればとても悲しく思う。
何せ自分に敵意なんかは無いのだから…
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痛い人 - すごく面白い！(*・∀・*)ノ続きめちゃくちゃ楽しみにしてます！σ(*´∀｀*)ダークリンクかっこええ♪かなり好みな小説です！(*/□＼*)チラチラ見に来ます！！ (2015年10月3日 21時) (
レス) id: 7f5409c857 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - いえいえ。あ、オリジナルフラグがついていますよ！外しておかないと、叩かれるそうです！ (2015年9月10日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
スカァレット(プロフ) - 分配法則さん» ダーク戦、楽しいですよね！（繰り返すかは別として…）コメントありがとうございます！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 693c6fe782 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - アラ？ダークリンク戦が楽しいなんて私と同じじゃないですかー！楽しみにしてますよー！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ScArlet | 作成日時：2015年9月1日 14時
