静かな神殿 ページ23
あれから何十日かが経ったある日、遂に神殿内で生命は一つとして姿を消している。
声も響かない。足音も届かない。息もない。水を動かす生物はもういない。
みんな殺してしまったからだ。
静まり返り、完全なる静寂に包まれた水の神殿。
つまり勇者は神殿の主までもを倒したという事を意味していた。
＿＿だが、この日ある魔物が目を覚ました。
ある部屋の片隅で、死んだはずの魔物が。
(ここは……)
声という器官が存在しない…
おかしい。前をいくら見据えようが、目を瞑っているも同然の真っ暗闇だけが映し出される。
しかし、今は水の中であることは理解できた。
徐々に、再生から意識が覚醒した魔物の目に光が戻ってゆく。
(？…この、下にあるこれは…何だろうか)
今一つ正確ではない薄暗い視界の中で、自分の下地気になったそれを手探りに確かめようと触る。
甲羅のような粗い感触。
手を色んな場所へ這わせ、何か細いものを掴めば連なって大きな部分も持ち上がり、崩れた。
(…死骸？)
それはもう脆く朽ち果てた、とうの前にこと切れたであろう魔物達の屍の塊だった。
(ではここは、あの世では…遂に天国来ちゃったか)
死ぬとあの世という所に行って、天国と地獄に分けられて転生するという物語を聞いたことがあるような無いような。
そんな、何もない場所で呆然と下らない事ばかりを思い出した。
(…そうだ、死んだのだ。ああ…でもきっとここは天国なんかじゃない)
これまで良い行いなんて出来なかった。
いつだってどうも自分は弱くて誰かの足を引っ張ってしまう。
(…ここは地獄なんだね)
今更後悔したって、死んだものは死んだのだ。
ならばもうと思うや否や、深い黒を群青に、淡い光の筋が一瞬キラキラと瞬くのを見た
(もしかして、出口が…)
その光を追って、上へ上へと泳いでいく。
地を足掻くような心地だった。
泳いでいくと、この水には流れが存在した。その水流は下へ向かって流れているようで、中々に光にはたどり着けない。
流れに逆らい続けると、さっきとは真反対に激しい光に身を包まれて、堪らず目を必死に手で押さえる
「ひいい！！！！チカチカ！…ん？声が自由に…」
目を覚ました魔物、Aは未だ眩しさに暫く眼を押さえていたが、その手を退けてみるとそこが何処だか分かるには時間を要さなかった。
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痛い人 - すごく面白い！(*・∀・*)ノ続きめちゃくちゃ楽しみにしてます！σ(*´∀｀*)ダークリンクかっこええ♪かなり好みな小説です！(*/□＼*)チラチラ見に来ます！！ (2015年10月3日 21時) (
レス) id: 7f5409c857 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - いえいえ。あ、オリジナルフラグがついていますよ！外しておかないと、叩かれるそうです！ (2015年9月10日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
スカァレット(プロフ) - 分配法則さん» ダーク戦、楽しいですよね！（繰り返すかは別として…）コメントありがとうございます！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 693c6fe782 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - アラ？ダークリンク戦が楽しいなんて私と同じじゃないですかー！楽しみにしてますよー！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ScArlet | 作成日時：2015年9月1日 14時
