闇雲な謳い文句 ページ20
「僕の…影…」
荒い呼吸を繰り返す勇者は静かに呟く。
「僕がそんな醜い姿している訳がない…真っ黒で…そんな嫌な戦い方…僕はしない！」
僕は違う、お前とは別者だ、
そうはっきりと否定の意思を吐き捨てたのだった。
…嫌な戦い方？嘘をつけ。
全て勇者が俺に与えた戦い方だ。
奴がやった魔物達を弄ぶ様に殺したあの戦い方だ。そっくりそのまま。
良くもやれたもんだ。むしろ尊敬する位だ。
だが…どうやら勇者様は混乱している様だ。
後に自分の発言が自分を追い詰める事になるのが分からないほどに。
「ハアッ…ハアッ…っぐ…」
勇者はあちこちにある傷から血を流していた
さっきの大きな傷だけではない。
少し掠って、うっすら血が滲むかすり傷に、
深く、絶えず血が流れ出ている刺し傷。
しかし立っていられるだけ、その身体能力がいかに驚異的で素晴らしいかを物語る。
ダークリンクは風景や物を綺麗だとは思ったことが無かったが、赤く筋から滴でこぼれ落ち、水を薄い赤に染めた生温かい鮮血を他にこれほどにないと思えるほど綺麗に思えた。
やがて茶色く緩やかに死に行く様にも、
羨望、そう言えば正しいだろうか。
「どうした、疲れたか」
「んなわけ…！」
「精神にそぐわない身体が悲鳴を挙げているようだが」
「何で…お前が…」
「言っただろ、俺はお前の影だって…」
「だからどうした…！！」
ダークリンクは剣を降り下ろしながら、刃の通るその時まで執拗に追い詰め続ける
「醜い影は、お前自身。誇り高き勇者の力は、俺自身」
「訳の分からないこと言うな！君は魔物だ！それ以外の何者でもない！」
「…あぁ。お前達人間が敵対する魔物様だよ」
「この…！！…倒さなければ」
自分の傷からは、何も湧き出たりしないのを少し腹立たしく心のどこかで思いながら喋る
…少し、焦りが芽生えたのだ
「僕はゼルダ姫の…皆の為にも…いつであろうと自分を犠牲に…」
「それがお前の過ち。代わりに得た力を良いことに力を過信した。魔物を倒す本当の理由をお前は忘れた。“命を奪う悪行”という事を“命を守る善行”と言い続け、自分すら誤魔化した」
そう矢継ぎ早に叫ぶ。
「しかし、お前の心は誤魔化せたか？罪悪感やドロドロとした黒い感情は確実にあるんだろう」
「違う！黙れ！黙れ！！」
「…ああ。それだよ。それが俺だ」
殺意をありありと滲ませ、勇者は転げた盾と剣を握り直したのだった
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痛い人 - すごく面白い！(*・∀・*)ノ続きめちゃくちゃ楽しみにしてます！σ(*´∀｀*)ダークリンクかっこええ♪かなり好みな小説です！(*/□＼*)チラチラ見に来ます！！ (2015年10月3日 21時) (
レス) id: 7f5409c857 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - いえいえ。あ、オリジナルフラグがついていますよ！外しておかないと、叩かれるそうです！ (2015年9月10日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
スカァレット(プロフ) - 分配法則さん» ダーク戦、楽しいですよね！（繰り返すかは別として…）コメントありがとうございます！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 693c6fe782 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - アラ？ダークリンク戦が楽しいなんて私と同じじゃないですかー！楽しみにしてますよー！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ScArlet | 作成日時：2015年9月1日 14時
