悟り ページ13
勇者はAが再び放った攻撃を受けて水流に撒かれたと思った。
しかしその刹那攻撃を仕掛けていたらしく、その攻撃で身体に撃ち込まれた刃に奥深く抉られながら、Aは水中から冷たい床に投げ出され、反動の限りに打ち付けられ転がる
鋭い鉤爪の先端で右肩に位置していた場所を貫かれ、動く度に走る激痛にAは成す術もなく踞った
…あと何度刺されるか、恐怖に支配され始める自分を宥めて生物らしく呼吸を繰り返す。
しかし攻撃の雨は止んだ。
「お…女の子じゃないか…」
そう的外れにも言葉を投げられ、驚いたように青年は訝しげに独り言ち、何事かとAは顔を上げる。
白い服の下に映える、表皮の青く赤く染まった勇者の首。その痛みを忘れたかのように、ただあっけらかんと佇んでいた。
「体に穴…ならあれは…まさか君だったの」
…ああ、そのまさかだよ。
虚勢であっても言えたなら、と募った苛立ちの中で激痛の虚ろから意識を取り戻そうとする時に思った
〈リンク！コイツも魔物だヨ！〉
リンク…なんと聞き覚えのある名だろう…
…ダークリンクをダークさん、そう呼ぶのは心のどこかで彼を敬遠した為だった。
でもAはこの時初めて知った。
はじめましてのあなたの半身は、とてもあなたと似つかわしくないほど残忍でした
「ああ…分かってる、ナビィ」
小さな炎のような飛ぶ光はナビィと呼ばれ、勇者に協力を示す存在だった。
勇者は今まで姿の見えない何かと戦っていたのだ。
ようやく見えたその姿が人間の様だったらそれは確かに娘だと思うだろう。
Aにとって、姿を見せてしまったのは深手だ。
正体がすぐに分かってしまったのならば尚更、油断しては駄目だ。
この姿で少しでも相手の不意を突けたのならば本望と言うべきか、いいや早く何かしら手を打たなければ…
「…ごめん」
勇者は憂いげに何故か謝罪の言葉だけを口にし、剣を握っている手に力を込める。
その言葉には少し躊躇の色を含んでいた事に少しでも期待を抱いてしまう程脆弱の限りになり果てたAは、心密かな畏怖を覆い隠すように怒りをたぎらせた
「なぜ…なぜお前に謝罪なんぞ…」
Aは圧倒的に不利な戦況の中で、肩を抑えて必死に地を這いもがいた。
なぶる様にゆっくりと振り上げられた剣が鋭く光を反射し、恐ろしくなって咄嗟にAは目を瞑る時何かが崩れ去る思いだった。
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痛い人 - すごく面白い！(*・∀・*)ノ続きめちゃくちゃ楽しみにしてます！σ(*´∀｀*)ダークリンクかっこええ♪かなり好みな小説です！(*/□＼*)チラチラ見に来ます！！ (2015年10月3日 21時) (
レス) id: 7f5409c857 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - いえいえ。あ、オリジナルフラグがついていますよ！外しておかないと、叩かれるそうです！ (2015年9月10日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
スカァレット(プロフ) - 分配法則さん» ダーク戦、楽しいですよね！（繰り返すかは別として…）コメントありがとうございます！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 693c6fe782 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - アラ？ダークリンク戦が楽しいなんて私と同じじゃないですかー！楽しみにしてますよー！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ScArlet | 作成日時：2015年9月1日 14時
