絶望の限り ページ11
「…きた」
遂に、この神殿に勇者がきたのだ。そう、間違いなく。
こんなに残虐な者だったなんて。
こんなことになるなんて。
それは勇者という名の怪異、完全に未知の存在だった。
「こうなりたくない…」
そんな言葉が真っ先にAの口をついて出た。
死にたくない。痛いことは嫌いだ、苦しいのも嫌だという思いが心の中に張り巡る
でも、紛れもなく勇者を倒す使命を与えられたうち一つもこのAなのだ。
望みも一つ、奴を自分の手で打ち倒す事だ。
…そう、思う他に何も信じすがるものは残されていなかった。
Aには眼前に広がるその死体をどうする事も出来なかった。
ただ、幸い形を留めていた一本のシェルブレードの棘を手に取り、髪に簪のように挿した。
「勇者を倒す、どうかそこから見届けて」
勇者を殺してやればいい。仲間達と同じく惨たらしい死に方をすればいいとこの時心底思った。
だって勇者の殺した命の数に鑑みれば釣りが来る。その代償はそのまま返す！それは勇者の死だ！だってだって同然の報いのはずだ！
心の中でそう、死別した仲間への弔いのように己を宥め続けた。
Aなんて始めから何もなかった存在だ。背負うモノが無ければ守るモノも無いなら死んでも問題は…
ないの、だろうか。
負けてAのほうが死んだら、弔いにもならないんだという強気な想いとは裏腹に不安が募る。
…死ぬのは、堪らなく痛いだろう。
勝利する方法なんてものも分からなくて、分かったとしても力及ばずだ。
Aは弱かったのだ。
本当は戦いたくなんて無い、でも戦わなければ存在価値など無くて、それはそれで用無しになる
別にAは勇者を倒すことは期待されてなくて、所詮足止めにでもなれば、それで良いんだってこと知ってる。
だからさほど力も与えられず、未完成品状態なんだ。
Aには核がない分、姿は完全に水にやつす事が出来た
…しかし、実態を留め形を成すための魔力が体内を特殊な神経のように巡っており、
一定の周囲の水を操る代償として、範囲の面積全てに攻撃を受けてしまう上脆く耐えられなかった。
そして周りの水を巻き込んでそれを使い傷を負わせる。しかしこれも完全とは言い難い代物だ
「A、もっと強かったらね」
勇者は強い？仲間は、いる？Aは…たった一人だ。
いや、孤独だからこそ慣れていたはずだ。死んでも悲しむ者はいないはずだった。
独りは…
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痛い人 - すごく面白い！(*・∀・*)ノ続きめちゃくちゃ楽しみにしてます！σ(*´∀｀*)ダークリンクかっこええ♪かなり好みな小説です！(*/□＼*)チラチラ見に来ます！！ (2015年10月3日 21時) (
レス) id: 7f5409c857 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - いえいえ。あ、オリジナルフラグがついていますよ！外しておかないと、叩かれるそうです！ (2015年9月10日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
スカァレット(プロフ) - 分配法則さん» ダーク戦、楽しいですよね！（繰り返すかは別として…）コメントありがとうございます！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 693c6fe782 (このIDを非表示/違反報告)
分配法則 - アラ？ダークリンク戦が楽しいなんて私と同じじゃないですかー！楽しみにしてますよー！ (2015年9月6日 22時) (レス) id: 4200f29251 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ScArlet | 作成日時：2015年9月1日 14時
