壁外調査3 ―仲間 ページ5
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団長の掛け声を合図に、馬が一斉に走り出す。
それから陣形を開き、しばらく進んだところで古びた街並みに休憩で立ち寄っていた。
長距離索敵陣形のおかげで、まだ直接巨人の被害にはあっていない。
班員とは以前よりは馴染んでいた。その力量も認められつつある。
だが、自分から壁をつくっている部分があり、馴染めきれていなかった。
一人階段に座って休んでいると、シオンがやってきた。
別に避けるつもりはないが、昨日のことを思うと、なんだか気まずい。
「今日は運がいい。うまく索敵機能が働いているみたいだ」
「…そうだね」
「Aは、…怖くない？」
「…うーん、まだ巨人みたことないから…」
私にしてみれば、巨人より人間のほうが怖い生き物だと思う……
自分の大切な人達を奪ってきたのは、まぎれもなく全員人間だ。
「…シオン、…昨日の返事なんだけど…」
そう言って、話を切り出そうとした。
今のうちにきちんと伝えておいた方がいいと思ったからだ。
だけど、シオンは私の言葉を止めた。
「返事は壁内に帰ってからって言っただろ。だから、ちゃんと無事に帰ろう」
そう言って、シオンは私を優しい眼差しで見つめる。
本当に優しい人なんだろうな、と思う。
そして、自分なんかよりずっと相応しい人がいるはずだ、とも……
「そうだ。…Aにこれを渡そうと思って」
シオンがポケットから取り出したのは、綺麗な布で作られた小さな袋だった。
「これ、母親がお守り代わりにいつも持たせてくれるんだ。中には花の種が入ってる。…そして、壁内に帰還したら、家の庭に植えるのが恒例なんだ」
―…母親か…。シオンには待ってくれている家族がいるんだな……
羨ましくないといえば、嘘になる。
周りにいる兵士たちも、きっと帰りを待つ家族や、恋人、友人達がいるはずだ。
何もないのは、きっと自分だけだろう……
シオンは私の手にそれを握らせた。
「Aが持ってて。…いいお守りになる」
「ダメだよ！！こんな大事なもの…受け取れない……」
「いいから持ってて。…その代わり、もうそんな寂しそうな目をしないで。君は一人じゃない。俺たちの大切な仲間だ。頼っていいんだよ」
シオンの目は真剣だった。
私は一瞬言葉を失う。
そんな風に思ってくれているなんて、考えてもみなかった。
―…仲間……
嬉しい響きだった。
「……うん。…ありがとう、シオン」
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沙羅(プロフ) - ふぉらわーさん» ふぉらわーさん！part2初コメント！ありがとうございます！！もう嬉しすぎて号泣の作者です(T∀T)しかも感動して頂けたなんて…｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡本当に嬉しいです！実は今、part7に突入しているのですが（長いっ）もしよかったらお待ちしてます！応援感謝です！ (2016年5月30日 22時) (
レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
ふぉらわー - 兵長が夢主ちゃんを抱き締めて思いを伝えるシーンに感動しました…！！！これからもがんばってください…！！(´;д;)ゝ (2016年5月30日 15時) (レス) id: 8ad82dbea3 (このIDを非表示/違反報告)
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