目星 ページ37
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「14ターン目 挑戦者側のターンを開始します。持ち時間 5分」
一体いつ終わるのか。
数字のゲームは明確に時間制限が設けられていたけれど、ハートのジャックといい無期限が多すぎる。
心が折れそうになりながら追われていた足を止め振り返ると、もうそこにクイーンチームの人間はいなかった。
…逃げ足の早い奴らだ。
「A！」
側面の上、顔を出したウサギが苦しそうに私の名前を呼ぶ。
「ウサギ…！？大丈夫！？」
「何とか…。私に考えがある、落ち合おう！」
考え…。
満身創痍なウサギに心配になりながらも、「分かった！」と言葉を返す。
頷いた彼女が顔を引っ込めたその時。
「何が分かったのかしら？」
「…貴方もしつこいね」
余裕たっぷりな声が聞こえてきて、思わず戦闘態勢に入る。
振り向くと鉄骨にもたれかかったクイーンが微笑みながらこちらへ向かってきていた。
「貴方に用はないの。」
彼女は王様だから、ボタンを押しても変わらない。
私はリサ。そう名乗った彼女は
「つまらないもの、仲間にも入れてくれないなんて」
と茶目っ気たっぷりな返事を返した後微笑んだ。
「…用はないって言ってるでしょ」
リサの横をすり抜けてウサギの元へ向かおうとする。
その瞬間、肩を捕まれあっという間に地面に抑えられた。
もがいても抜け出せない、まるで蜘蛛の巣に捉えられた蜂のよう。
ゾッとして上半身を起こそうとしても動けば動くほど痛いだけだ。
「…びっくりした？私、体力にだけは自信があるの。」
「っ、く…アリスに相手にされないからって私に目星を付けたんだ」
ピクリと彼女の瞼が痙攣した。
図星？
チシヤの傍にいたせいだろうか、自然と挑発が上手くなっている気がする。
一瞬の隙をついて、私の肩を抑えていたリサの腕を捻りあげる。
舌打ちをしながらそれを交わし再度私を捕まえ、壁に押し付けられる。
…成程ね、私が他のプレイヤーのボタンを押さないように挑戦者側のターンだけ時間稼ぎか。
ウサギよりも体力では劣る私に目星をつけたのね。
悔しいなあ。
素直にそう思いながら、残り3分程か、と計算した。
このままだとウサギの計画を聞くことは出来なさそうだけど、彼女たちに賭けるしか無い。
残り少ない時間の中、クイーンは何を考えているのかニヤリと笑っていた。
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みりん(プロフ) - ゆめさん» ゆめさんありがとうございます！長ったらしい小説家とは思いますが、ここまで読み進めていただいたことマキタにありがとうございます！ꈍ .̮ ꈍ メッセージの方でパスワードを送らせて頂きますね！ (2023年4月13日 20時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 初めまして！みりんさんの作品全て読まさせて頂きました！ どれもとても素敵な作品で、出会えた嬉しさでいっぱいです！ これからも陰ながらですが、応援させて 頂きます！お時間のある時に0の方のパスワードを 教えていただけると幸いです！ (2023年4月13日 16時) (レス) id: 23764cc589 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉ありがとうございます…！(*ᴗˬᴗ) EP0のパスワードの方、メッセージにて送らせて頂きますね！ (2023年4月12日 1時) (レス) @page42 id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - はじめまして！素敵な作品を拝見させていただきありがとうございます！文章力が素晴らしくて凄く感情移入しました( ꈍᴗꈍ) 宜しければEP0の方も拝見させて頂きたいです！お時間ある時によろしくお願いします！ (2023年4月11日 18時) (レス) @page40 id: 18e6227b50 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - ありがとうございます！︎おふたりとも、メッセージの方にてパスワードを送らせて頂きますね！ここまで読んでくださり嬉しい限りです(^_^*) (2023年4月9日 22時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年3月21日 2時
