死んじゃった ページ13
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「…ただいま、お母さん。」
薄暗い部屋へ進む。
ピアノをやめてから母親はずっとこんな感じだった。暗い部屋へ閉じこもり、何かの明細とにらめっこ。
フゥ、と溜息をつきながらスーパーで買ってきた食材をテーブルの上に置く。
父親は夜遅くまで残業だ、ご飯を作るのはいつの間にか私になっていた。
無理やりに口角を引き上げ、明るい声を出す。
「お母さん、今日はオムライスだよ。」
トマトと卵、人参を取り出しながら背中に気配を感じる母親に向けてそう言った。
幼い頃4人で食べたオムライス、美味しかったよね。
昔話をしながら手際よく、野菜をみじん切りにしようとした所で母親が口火を切った。
「…ハルト、死んじゃった」
「…え?」
唐突な言葉に上がっていた口角が固まる。
…何の冗談。
振り返って、後悔した。
真っ赤に腫れた母親の目はありありと、それが事実だと物語っていたから。
なんで。いつ、どこで。…どうして。
取り留めのない疑問が浮かび上がり、私は腰を抜かす。
一緒に、通学カバンもテーブルから転げ落ち、ありとあらゆる物がキッチンに散乱した。
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みりん(プロフ) - ゆめさん» ゆめさんありがとうございます!長ったらしい小説家とは思いますが、ここまで読み進めていただいたことマキタにありがとうございます!ꈍ .̮ ꈍ メッセージの方でパスワードを送らせて頂きますね! (2023年4月13日 20時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 初めまして!みりんさんの作品全て読まさせて頂きました! どれもとても素敵な作品で、出会えた嬉しさでいっぱいです! これからも陰ながらですが、応援させて 頂きます!お時間のある時に0の方のパスワードを 教えていただけると幸いです! (2023年4月13日 16時) (レス) id: 23764cc589 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉ありがとうございます…!(*ᴗˬᴗ) EP0のパスワードの方、メッセージにて送らせて頂きますね! (2023年4月12日 1時) (レス) @page42 id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - はじめまして!素敵な作品を拝見させていただきありがとうございます!文章力が素晴らしくて凄く感情移入しました( ꈍᴗꈍ) 宜しければEP0の方も拝見させて頂きたいです!お時間ある時によろしくお願いします! (2023年4月11日 18時) (レス) @page40 id: 18e6227b50 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - ありがとうございます!︎おふたりとも、メッセージの方にてパスワードを送らせて頂きますね!ここまで読んでくださり嬉しい限りです(^_^*) (2023年4月9日 22時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みりん | 作成日時:2023年3月21日 2時