生きてね ページ22
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Chishiya side
「…嫌だね」
ゆっくりとA近づき頬に唇を合わせる。
ふと、首元に赤く残るマークを見つけて、皮肉気に唇を吊り上げた。
「ニラギもしぶといねぇ…。嫌な置き土産を残してくれたもんだ」
「？」と何も分かっていなさそうな顔をするA。
何をされたかは後日問い詰めることにして。
彼女の首筋に頭を埋め、跡がついている箇所を上書きするようにキツく吸い上げる。
「ん、」と声を漏らすAにドクリと心臓が沸き立つ。
「帰ろう。クイナも待ってる」
「帰るって、なに」
嘲笑するAに何も言えない。
それはそうだ、先に裏切ったのはこっちなのだから。
その胸に巣食う気持ちが、何であるのかに気づかずに初めての気持ちで彼女の黒髪を撫でた。
ふと、彼女の呼吸が浅くなっているのに気がつき、「そろそろホントにやばいな」と小さく呟いた。
体を抱き抱えてドアまで移動させる。
「歩ける？A、…っ」
どこにそんな力が残っていたのかと思うほど強い力でパーカーを引っ張られ、彼女と至近距離で目が合う。
A？と小さく問いかければ、切なそうに笑った彼女が優しく唇を合わせてきた。
幼子がするようなキスの仕方に自分も目を瞑って応える。
外では炎の焼ける音が鳴り響いていて、ジリリリリとけたたましく鳴る警報機も相変わらずうるさい。
なにより彼女の体調が心配だ、脈拍も乱れている。
A、ともう一度、唇を合わせながら言うと、にっこり笑った彼女がぎゅう、と抱きついて耳元で囁いた。
「チシヤ、大好きだよ。ありがとう。…チシヤは、…生きてね」
何を、と聞き返そうとして、強い力で外に押される。
彼女の腕を掴もうとして、指が掠めた。
不意に、出会った時の鬼ごっこを思い出す。
誰にも触れられて欲しくないような顔をして勇敢で人一倍優しい彼女は、アリスくんと一緒に奥の部屋に転がり込んだ。
その時も、引き寄せようとして触れられなかった。
だが、あの時と今とでは状況が違う。
「A？何してんの」
剣呑にそう言うと、煙が充満していて吸ってしまう。
小さく咳をしながらドアノブを捻るも鍵がかかっていて開けられない。
「…っ、チシヤ！何してんねん！」
火の立つ中、ここまで追いかけてきたクイナが本気で焦りながら「もう危ない、ダメや！引こう！」と腕を引く。
女とは思えないほどの強い力で引かれ咄嗟にドアノブを握るが熱くてすぐに手を離した。
「A」
最期に呟いた声に、Aが小さく泣きそうな声で何かを言うのが聞こえた気がした。
Don't leave me alone→←好きになってごめんなさい
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みりん(プロフ) - はーとさん» ありがとうございます…！チシヤサイドは完全に自分の妄想だけで書いているので、そう言っていただけるととても助かります…！߹ᯅ߹ (2023年1月28日 9時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - 1話から読ませて頂いていました！ついに完結！お疲れ様です(*^^*)2も読ませて頂きます！二次創作は解釈不一致なところが多いんですけど、このお話はそういうのが一切なくて、読みやすくて、丁寧で、チシヤの( -`ω-)bポイントが本家＋で最高でした！ (2023年1月27日 17時) (レス) @page26 id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - おむらいすさん» 嬉しいです߹ㅁ߹)♡ 所々、これは面白いのかな？と不安な描写があったりしたので、そう言って頂けると次の執筆の活力になります…！(˶･o･˶) (2023年1月27日 12時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - るーさん» ありがとうございます…！次のシーズンでは、主人公ちゃんの事を連れ出した“あの人”と深く関わるので是非楽しみにしていてください！(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ (2023年1月27日 12時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 翡翠さん» 翡翠さん！ありがとうございます(⚲□⚲) シーズン2 では、もっと多くのぷれいやぁと絡ませていきたいな、と思っているので期待していただけたら…！笑 (2023年1月27日 12時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年1月25日 4時
