マイペース少女、気ままにヒーロー目指します！part2

93:休みの日って勉強とかで忙しいはずなのに、やる気無さすぎて逆に暇だよね。 ページ47

死柄木side


今日は日曜日だ
毎週日曜日は必ずと言っていい程Aが遊びに来る。今も俺の目の前で相変わらず負け続けのトランプと睨み合っている。



『だーー！！もー！！！黒ママ！いつもの！』



また負けたとやけ酒ならぬやけオレンジジュースを決め込むのもいつもの光景だ。

昨日偶然鉢合わせてしまったが、俺が敵だとバレないように緑谷出久には脅しをかけておいた。今日も変わらずここに来ているということは大丈夫なんだろう。

Aは貴重な治癒個性。しかも戦闘力も人並み外れている。仲間に取り込めたなら強大な戦力になるだろう。



『それでね〜、かっちゃんが着てたTシャツに〈SHINE〉って書いてたからローマ字読みでシネって書いてるのかと思ってさ。かっちゃん…ついに…って』


ト「で、で、どーなったのー？」


『シャインだよ！ってかっちゃんもいずくんもハモりながらすごいキレでツッコミ入れてきた』


荼「お前馬鹿だろ」



トランプに飽きたのか、勢力拡大の為だと言って紹介されたばかりのトガと荼毘と話している。
初めましてで早速仲良くなったようだ

でもいつもは俺にずっと付きっきりなくせに。なんだか気に食わない。

しばらくあいつらと話した後満足そうな顔で戻ってきた。



『トガちゃんかわいいし荼毘くんクールだけど優しいし。弔にも友達いたんだねぇ』


死「友達じゃない」



毎週毎週こいつと話しているが、気が抜けるというかなんというか。Aの前では警戒心というものが働かない。

こいつの笑顔を見ているとなんだか心が変な感じがする。ふわふわするんだ。こんな感覚知らないし名前も知らない。

自分が敵だと知った時、Aは…今までの奴らみたいに、俺を見放すのかな。誰も手を差し伸べようとしなかった、あの時のように…


そんなことを考える内、いつの間にか口走っていた


死「A、もしも、俺が敵だって言ったら…どうする？」


トガたちにも口止めしてある。こいつはまだ真実を知らない。

聞くのが怖い答えだったはずなのに、気づけば口にしていた

ヒーローを目指している立場だから尚更俺のことを軽蔑するだろうか。

少し間を置いて、Aは言った＿＿＿




『＿＿＿＿…』




＿＿＿＿あぁ、Aはこういうやつだったな。初めて会ったあの日も、躊躇なく手を握ってくれた。

だからこそ、こいつを仲間にしたいと思った。こいつを手に入れたいと思ったんだ。

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