みだれ髪には程遠い。【文豪ストレイドッグス】

名探偵はお見通し ページ5

国木田「＿＿＿＿貴様らは、莫迦か！！！」





開口早々、独歩……さんはそう叫んだ(怒鳴った)。







死にそうな顔の治お兄ちゃ……さん、


もう死んでいる敦お兄ちゃん、


笑顔が怖い晶子お姉ちゃん。







太宰「……。」

敦「あ、はい……。」

『独歩さん、敦お兄ちゃんは悪くないよ。
……治さんは悪いかも』

太宰「Aちゃんン！！？？」







国木田「否、A。お前は優しすぎるんだ。

太宰は悪いな。」





与謝野「そうサ、A。アンタは優しすぎる。

太宰は悪いけどね。」





太宰「皆、酷い」







だって、私の事、貞子って云ったもん。


自業自得。







国木田「兎に角。 貴様らには罰(？)として探偵社の清掃をしてもらう。

与謝野医師は通常勤務、Aは乱歩さんと買い物(の付き添い)に行って呉れ。」






『はい。』

与謝野「はいよ」

太宰「げっ……」

敦「あ、はい……。」




……如何でも良いけど





先刻から敦お兄ちゃんが”あ、はい……。“しか云わない。





……晶子お姉ちゃん、一体何したの？









＊





ヨコハマ某所にて





『乱歩……さん』





乱歩「……もう、“乱歩お兄ちゃん”って呼んで呉れないの？」





名探偵様はそう云った。



……いやいや





『其れは………

其の………』





乱歩「当ててあげようか？」






ニィッ、と綺麗な三日月を描いた彼の口から








乱歩「……大人の階段」




『……登りたい。』







ドンピシャな答えが出てきた。





乱歩「はっはー、そうか！

Aもそんな年頃か！



……詰まり、与謝野医師みたいになりたい！



って事でしょ？」






『……うん。』







乱歩お……さんはもう一度ニヤリ、と笑うと






乱歩「そんなに思い詰めなくてもいーんじゃなーい？



……Aは其れで可愛いんだから。


そ、れ、に、僕も“乱歩お兄ちゃん”って呼ばれないのは一寸寂しいし！」







……ほら、此の人は。




そう云う事、簡単に云うから。








『あ、有り難う………


乱歩、お兄ちゃん……』







乱歩「僕が良ければ全てよし！」









、








、








(そう云えばさ、A。)

(うん。)

(国木田、嘆いてたよ。)

(何を？)

(Aが、“独歩お兄ちゃん”って呼んで呉れない！
……ってね。)

usagi＊より→←＊＊

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