無限の愛をあなたに (ページ10)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:8,078 hit

10 ページ10

瑠姫母side

息子のデビューが決まってから3日

瑠姫は毎日お仕事で忙しそうにしてて、デビューするんだなって、母の私も実感が湧いてきた

Aちゃんにも連絡したんだけど、相変わらず返事がないのよね

ちゃんと食べれてるのかしら

今日は病院で検診を受ける予定になってて、少し遠い大きな病院まで来た

〔白石さん、最近随分と元気ですね。何かいいことでもありました？〕

「実は、幼なじみが夢を叶えたんです。だから嬉しくて、私も頑張らないとなって思って…」

私は目を疑った

目の前にいるのは、痩せて小さくなったAちゃん

支えがないと1人でも歩くのが難しいくらい弱っているように見えた

瑠姫母「Aちゃん！？！？」

私は思わず声をかけた

振り返った彼女は、今にも消えてしまいそうだっだ

それからAちゃん本人から、本当のことを聞いた

胃がんステージ4であること、もう治療や手術は難しい段階であること、残された時間がもうないこと、瑠姫に心配かけないために今まで1人で頑張っていたこと

「ごめんねおばさん。でも、おばさんに会えてよかった。このまま誰にも会えないで、1人で死んじゃうところだった」

瑠姫母「連絡も返ってこないし、すごく心配してたのよ？私もお父さんも、、、、瑠姫も心配してた。」

瑠姫母「Aちゃんは、瑠姫に会いたくない？あの子、Aちゃんと連絡が取れなくなってから、家に帰ってきてもずっとカラ元気っていうか、心ここに在らずって感じだったの。私からのお願い、あの子に会ってあげてくれない？」

私は、瑠姫とAちゃんの母親だから分かる。この子たちがお互いに惹かれあってるってこと。

本当に2人とも素直じゃないんだから。

Aちゃん、ずっと1人で苦しんでることに気づいてあげられなくてごめんね。

これからはみんな一緒よ。