ヨコハマの大量殺人鬼は森さんの溺愛する少女でした

第九話 ページ11

〈Aside〉

「あ、ねぇ中也さん」



「……何だよ」



一寸声を掛けただけで中也さんは不満げにため息をついた



何かげっそりしている様な気がしなくもない




「……あ、の」



「あン？」



「お、怒ってますか？」



中也さんははァ、と本日何度目か判らない溜息をついた



「あのなァ、」



「は、い」




怒られるかな、と一寸身構えると――――



ぐしゃ



「ッわ」



頭を撫でられた



其の儘何度かぐしゃぐしゃと撫でられて、手が離れた



ばっと顔を上げると、矢っ張り一寸不機嫌顔の中也さんと目が合った



「嫌だったらとっくに逃げてるッつうの」



そして中也さんは、ははッと笑って私の手を引いた



身長で必然的に手が上に引っ張られる




私の降口角が上に向いた



「もぉー中也さん大好きッ」



「あ、おい手前ッ」



ばふっと抱きつくと中也さんはバランスを崩しつつ、私を受け止めた




幸せだなあと噛み締めていると――――――





「あっれぇ、中也じゃなぁい。幼女趣味だなんて、知らなかったなぁ」




気持ちの悪い声



中也さんが一瞬固まって震えた




あはは、此れは真逆―――――





太宰、治？

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