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『…あま…』
コーヒーで濡れた彼女が呟く。
TH「Aっ…」
首裏と二の腕が赤くなっている彼女。
JK「火傷してるっ…」
SG「お前っ!」
『ユンギオッパ。辞めて。』
いつもより低い声が監督に飛びかかりそうなユンギを咎める。
SG「でもっ…」
「……はあ…Aさんっ!いつまでかばう気ですか?!足手まといはすぐにでも捨てれば良いんですよ!」
コーヒーで濡れた髪をかきあげながら監督の方に振り向いた。
『…申し訳ありませんでした。責任をとって降板します。なので、彼らに危害は加えないで下さい。』
一気に血の気がひく。
"降板"
この言葉は女優人生、一生響く言葉。
僕らを守って傷つく必要無いんだよ。
監督が言った"足手まとい"と言う言葉は皮肉にも正解だった。
「っ…分かりました、早く出ていって下さい。」
『…失礼します』
ドアに向かって動いたコーヒーの香り。
JK「Aっ…」
名前を呼んでドア外まで追いかける。
JK「待って、」
『、ん?』
JK「謝りに行こっ、今ならまだ間に合うよっ」
『どうして、』
JN「僕らを庇う必要ないんだから、」
『庇う…?なんの話ですか…』
濁る目。
『私はオッパ達を庇った覚えはありませんけど?』
つーっと背中に冷や汗をかくほど冷たいその目は、続けてこう言った。
『私は、オッパ達を庇ったつもりはありませんよ。ただ自分がやりたくなかったからです。
そうやって、被害者ずらしないで下さいよ。自分のせいでこうなったとでも?
自意識過剰もいい加減にしてください。』
言い終わるとすぐに後ろを向いて足早に立ち去る彼女。
それは、僕らが初めて受けた拒絶。
そして、彼女の精一杯の優しい嘘だった。
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#虹色のササミ(プロフ) - stephさん» ありがとうございます!こんなふうに待ってくれて嬉しい限りです(泣)これからも楽しんで読んでいただけると幸いですっ。 (2021年7月19日 23時) (レス) id: 7e7f40cfe0 (このIDを非表示/違反報告)
steph(プロフ) - 好きです!笑 次も楽しみにしてます!! (2021年7月19日 2時) (レス) id: 69099a3a1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:#虹色のササミ | 作成日時:2020年10月31日 17時