森の中で ページ4
日が暮れる。
遠くで何かの鳴き声がした。
ぶるりと寒さに体が震える。
ただ歩き続けていた。
『可哀想なロビン』
『助けたくても、助けてあげられない』
隣人たちが囁きあっている。
怪しげな光が飛び回っていた。
ここはどこの森なんだろう。
寒い。寒い。
また遠くで何かの鳴き声が聞こえる。
誰かがいるのか。
獣が腹を空かせて待っているのか。
『悪魔と契約なんて結ぶから』
『私たちだけで満足できなかったの？』
『ロビンの友達は僕らが一番！』
知っている。
そんなこと、言われなくてもわかっている。
けど私の親友は、彼らではない。
『呪いの匂いだ』
『痛そう、痛そう』
隣人が顔をしかめながらついてくる。
雲が月光を隠してしまった。
暗くて前に進めない。
こわい。
そう感じた。
『光が嫌いなのに、闇が怖い』
『変なの』
その場に踞る。
寒い、怖い、寒い。
もう隣人たちの声すら聞こえない。
お腹もすいてない。
喉も乾かない。
ただ恐怖だけが側にある。
サクッと地面を踏みしめる音がした。
月が雲から姿を現す。
霞む視界の中心に、
天使のように白い髪の青年が立っていた。
「大丈夫か？」
そっと手が伸びてくる。
肩に触れたその温もりを最後に、
私は気を失った。
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零斗(プロフ) - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2020年3月13日 14時) (
レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
有馬 - ものすごい面白いです！気長に更新待ってます！ (2019年3月24日 22時) (レス) id: c318382072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2019年1月3日 11時
