金で買えないもの ページ2
私の体を照らすライト。
眩しい、光は嫌いだ。
「さあ、珍しいスレイ・ベガのお次は、これまた珍しい！悪魔に魂を食われた哀れなスレイ・ベガ！堕落した天使を誰が買うのか！」
暗闇の向こうの売人がざわめきだす。
好きなだけ値踏みしろ。
好きなだけ笑えばいい。
「20」
「40」
「60」
「70」
値段がはね上がっていく。
先程のスレイ・ベガの子よりは低い。
それが私の価値なのだ。
「100」
そこで止まった。
私の飼い主は…………。
その姿をまて微かな期待が潰れた。
肥えた肉を揺らす、金持ちの男性。
宝石を見せびらかして、傲慢で。
「では確認します。こちらでよろしいでしょうか？人種はわかっていませんが、比較的大人しい部類です。取り扱いには気を付けてください」
淡々と"商品"である私の説明をしていくセスさん。
彼には感謝しなくては。
私との取引に応じてくれたのだから。
「おい、こっちに来い」
新しい主の声が響く。
鎖の音を響かせて近づけば、頬を叩かれた。
ベールが落ちる。
それを踏みつけ、主は言った。
「今日からお前は、俺様の玩具だ」
それはお金では買えないもの。
人の心を暴力と恐怖で支配していく。
私はまっすぐ主の目を見つめた。
痛み等に屈しない。
痛みなんてとうの昔に感じなくなった。
かーっと主の顔が赤くなる。
それは怒りからなのか。
「何を澄ました顔をしているんだ！玩具らしく地を舐めろ！」
「…………舐めればいいんですか？」
「っ、生意気な！！」
また、叩かれる。
けどそれだけだ。
首輪の鎖を引かれ、強引に外に連れ出される。
金に溺れた主は言った。
「地獄を見ればいい、この悪魔が！」
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零斗(プロフ) - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2020年3月13日 14時) (
レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
有馬 - ものすごい面白いです！気長に更新待ってます！ (2019年3月24日 22時) (レス) id: c318382072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2019年1月3日 11時
