【episode 93】#Atsushi ページ45
考えれば考えるだけ、色々な事が思考を占拠していく。
Aは僕に言いたくない、隠し事があるのかな。
…でも。
僕たちは小さな頃からずっと一緒にいたし、どんなことでも二人で共有してきた。
痛みも悲しみも苦しみも喜びも全部。
だから僕はAに隠し事をするなんてこと、絶対にない。
信じてるし、信じられているから。
「聞いてるの、A」
僕がとっさに出した声は思ったよりも低い声だった。
僕の声にAは少し驚いているようだったけど、ごめんねと言って眉を下げる。
携帯を鞄の中にしまうと、小さく笑って言った。
「用事ができたので…外行ってきます」
やっと僕の声がAに届いたかと思えば、くるりと背を向けて行ってしまう。
A、
ぴたりと立ち止まるA。
不思議そうな顔で僕を見つめた後、どうしたのと言った。
「あ、いや…気をつけて、」
知らぬ間に掴んでいたAの手。
僕はもやもやした気持ちのまま手を離した。
パタリ、と探偵社の扉の音が静かな空間に響く。
いってらっしゃいって、言えなかった。
太宰さんは、あーあーと残念そうにすると読んでいた本を顔の上に乗せて静かになる。
ひとり取り残された僕は自分のデスクへと戻った。
ねぇ、A。
いつも携帯を触っているのはどうして？
僕が聞くと、少しだけ顔を強張らせてはぐらかすのはどうしてなの？
外へ出るって、誰と行くの
なんで何も僕に教えてくれないの
君は誰と、いつも連絡をとっているの？
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コトノハ - 一気読みしてしまいました！敦君の優しさと男前さが上がっていて、個人的にすごくドキドキさせられています！更新楽しみに待ってます！頑張ってくださいね！ (2019年4月21日 8時) (
レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
十六夜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます。更新、遅くなってしまいすみません。なるべく早く更新できるよう頑張ります(*^^*) (2018年8月10日 21時) (レス) id: 0ec73a354d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 何度も読み返すくらい好きなお話です！ (2018年8月8日 17時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 面白いお話で続きが気になります！更新頑張ってください！ (2018年7月16日 16時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)
十六夜(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます。更新、遅くなってしまいますがお付き合い頂けると幸いです(*^^*) (2018年6月20日 0時) (レス) id: 0ec73a354d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十六夜 | 作成日時：2018年3月11日 10時
