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【episode 81】#You ページ33

「…知られたく、ないんです」


「どうして?」


「それは……」



私はこの能力を持っていて一度だって良かったと思ったことはない。

もっと他の能力だったら、いろんな人を幸せにすることができたかもしれない。

敦のように戦闘に特化した能力だったら、乱歩さんのように、与謝野先生のように…


そう思えばきりがないけれど、探偵社でお世話になってからはそんなことを考えるようになった。


いや、孤児院にいた時からそうだ。


私の能力は、一体なんの役にたつというのだろう。

それならこんな能力、持たなくて良かったのに。


そうすれば私は敦に……



俯いたまま何も話さなくなった私に、太宰さんはひとつ息を吐くと私が掴んでいる手を解いた。



「…わかった、無理には聞かないよ。
私はこれから君の異能のことを敦君には何も言わない。
ただ国木田君たちがどうだろうか…」


太宰さんの言葉にはっとして、国木田さんたちのいる隣の部屋に耳を傾けると国木田さんの話す声が聞こえた。


「敦、Aのことなんだが…」


おそらく、私の話をしているのだろう。

国木田さんはきっと敦に私が芥川に会ったことを話してしまうだろう。

それに、異能力のことも。


敦にだけ、話さないというのも騙しているようで心が痛い。

それでもまだ、私はこの能力のことを敦には話すことはできない。


国木田さんを止めるため、勢いよく扉を開けると一気に集まる視線。

けれど国木田さんは私のことを見てすぐに視線を敦に向けて口を開いた。





「芥川に遭遇したらしい」

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コトノハ - 一気読みしてしまいました!敦君の優しさと男前さが上がっていて、個人的にすごくドキドキさせられています!更新楽しみに待ってます!頑張ってくださいね! (2019年4月21日 8時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
十六夜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます。更新、遅くなってしまいすみません。なるべく早く更新できるよう頑張ります(*^^*) (2018年8月10日 21時) (レス) id: 0ec73a354d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 何度も読み返すくらい好きなお話です! (2018年8月8日 17時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 面白いお話で続きが気になります!更新頑張ってください! (2018年7月16日 16時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)
十六夜(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます。更新、遅くなってしまいますがお付き合い頂けると幸いです(*^^*) (2018年6月20日 0時) (レス) id: 0ec73a354d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十六夜 | 作成日時:2018年3月11日 10時

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