【episode 50】#You ページ2
「ふー、悪かったね国木田君。
手伝ってもらっちゃって」
「別にいい。それよりー」
私たちは武装探偵社に帰って来ていた。
芥川たちが帰っていったあと、谷崎さんたちを私と太宰だけでは運びきれないということで太宰が国木田さんを呼んでくれて三人で探偵社に帰っていた。
敦はまだ眠っていて、ナオミちゃんと谷崎さんは与謝野先生の治療を受けているらしい。
谷崎さんは敦の様子を看に行ってくれた。
とにかく二人とも無事でよかった。
私はソファに寝転がって鼻歌を歌っている太宰へ近寄った。
「あれ、A」
どうしたの?
私に気づいた太宰はゆっくりと起き上がる。
「あの…さっきは来てくれてありがとうございました」
また、この人に助けられてしまった。
あの状況で、私一人では何もできなかった。
「いいよ、別にそんなこと。
仲間の危機を助けるのは当たり前だろう」
"仲間"という言葉に、少しだけ照れくさくなる。
太宰はそれより、と言葉を続けた。
「君さっき、私のこと"太宰"って言ったでしょ」
「え」
にやり、と口角を上げて意地悪そうに笑う太宰。
い、言ったっけ?
言葉にするときは極力気をつけているつもりだったけど…
危機的状況下で思わず口に出てしまっていたのか。
「ご、ごめんなさい…」
「…ま、別にいいのだけどね。
でもご飯処でのことは謝るよ。
君に苦手意識を持たせてしまったみたいだし」
……自覚あるのか。
結構傷ついたんですよ、あれ。
「……もともと男性が苦手なんです。
孤児院でのトラウマ、というか……」
私がそういうと太宰は少しだけ苦い顔をした。
「気づかなくてごめんね。
これからは気をつけるようにするから、君も少しは心を開いてくれると嬉しいな」
またにっこり、と優しい笑顔を見せてくる。
私は先程の芥川の言葉がフラッシュバックした。
"元ポートマフィアの太宰さん"
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コトノハ - 一気読みしてしまいました!敦君の優しさと男前さが上がっていて、個人的にすごくドキドキさせられています!更新楽しみに待ってます!頑張ってくださいね! (2019年4月21日 8時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
十六夜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます。更新、遅くなってしまいすみません。なるべく早く更新できるよう頑張ります(*^^*) (2018年8月10日 21時) (レス) id: 0ec73a354d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 何度も読み返すくらい好きなお話です! (2018年8月8日 17時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 面白いお話で続きが気になります!更新頑張ってください! (2018年7月16日 16時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)
十六夜(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます。更新、遅くなってしまいますがお付き合い頂けると幸いです(*^^*) (2018年6月20日 0時) (レス) id: 0ec73a354d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜 | 作成日時:2018年3月11日 10時