【episode 36】#Atsushi ページ36
「そういえば皆さんは探偵社に入る前は何を？」
なんとなく気になっていたことを聞いてみれば、しん…と空気が静まってしまった。
あれ、僕何か変なこと聞いたかな。
すると太宰さんはにっこりと笑って僕に問いかけた。
「何してたと思う？
定番なのだよ、新入りは先輩の前職をあてるのさ」
「じゃあ…
谷崎さんと妹さんは…学生？」
「おっ、あたった、すごい」
「どうしてお分かりに？」
「ナオミさんは制服から見たまんま。
谷崎さんの方も歳が近そうだし勘で」
Aは隣ですごいね、と笑っていた。
…ミルクティーを飲みながら。
「やるねぇ、じゃあ国木田君は？」
びくり、と肩を震わせる国木田さん。
僕は構わず続けた。
「お役人さんとかですか？」
「惜しい！
彼は元学校教諭だよ。数学の先生」
「へえぇ！」
数学の先生！
なんか納得…っていったら投げられるな。
Aも思い浮かべていたのか、くすくすと笑っていた。
「じゃ、私は？」
「太宰さんは…」
…太宰さんはなんだろう。
考えてみても、想像がつかなかった。
「無駄だ、小僧。
武装探偵社七不思議の一つなのだ、こいつの前職は」
「最初に当てた人に賞金が有るんでしたっけ？」
……賞金。
ぴくり、と体が動くのを自分でも感じた。
「そうなんだよね、
誰も当てられなくて懸賞金が膨れ上がってる」
膨れ上がってる？
「俺はあぶれ者の類だと思うがこいつは違うという。
しかしこんな奴がまともな勤め人だったはずがない」
失礼なことを言っているな、と思ったがツッコミを入れる余裕などない。
僕は、ただ気になっているのだ。
「ちなみに懸賞金っていかほど？」
そう、懸賞金。
その懸賞金の額が僕は気になっているのだ。
「参加するかい？
賞典は今…七十万だ」
七十万！！！！
当てたら本当にもらえるんですね、七十万！
太宰さんに確認を取れば、自 殺主義者に二言はないと不敵に笑った。
これは生活費のため…
是が非でも絶対に当ててやる！！
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十六夜(プロフ) - 胡蝶さん» コメントありがとうございます。励みになります。中也さんの登場が私自身も待ち遠しいです^ ^ (2018年3月10日 11時) (
レス) id: e6ba942cc6 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 凄くおもしろかったです。夢主ちゃん、中也さんと気が合いそうですね。これからどんな展開になっていくのか楽しみです。 (2018年3月10日 0時) (レス) id: 7857e3d4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十六夜 | 作成日時：2018年2月27日 22時
