【episode 15】#Atsushi ページ15
夢を見た。
小さな頃の孤児院での夢。
孤児院の大人はみんな僕を駄目な奴と蔑んだ。
殴られて、蹴られて、孤児院にいい思い出なんかない。
けれどいつも僕の隣には温かい存在がいた。
怪我を作って部屋に戻れば心配そうに顔を歪めて涙を溜める。
僕が悲しみで押しつぶされそうな時は静かに手を握ってくれる。
彼女の笑顔に、何度僕は救われただろう。
そんな彼女を僕が守りたかった。
ずっと、僕がー…
「ふぁ……」
暖かい光に包まれて、僕は目を開けた。
知らない景色だ。
ここはどこだろう。
孤児院の起床喇叭は?
早朝点呼は?
ふと隣を見ると、三つ折りに畳まれた布団と綺麗な洋服が畳まれていた。
そうだ、Aは?
いつもなら隣にAが寝て…
「A!?」
いくら名前を呼んでも彼女からの応答がない。
どうしよう、Aはどこへ……
すると突然、機械的なピピピ、という音が鳴り響いた。
どうやら近くに置いてあった携帯が鳴っているらしい。
僕は慣れない手つきで携帯を開き、電話に出るべく手当たり次第ボタンを押した。
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十六夜(プロフ) - 胡蝶さん» コメントありがとうございます。励みになります。中也さんの登場が私自身も待ち遠しいです^ ^ (2018年3月10日 11時) (レス) id: e6ba942cc6 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 凄くおもしろかったです。夢主ちゃん、中也さんと気が合いそうですね。これからどんな展開になっていくのか楽しみです。 (2018年3月10日 0時) (レス) id: 7857e3d4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜 | 作成日時:2018年2月27日 22時