教室へ（後日談） ページ6
あの日、綾小路くんに言われたことを守るために 私たちは付き合い始めた。
綾小路 清隆「恋人関係だと お前と常に行動できるのって、本当だったんだな。」
「別に友達でも、相手と行動を一緒にすることはできるよ」
綾小路 清隆「それだけじゃ お前と一緒にいる時間は限られてくるだろ。それは効率的じゃない。」
「あ...綾小路くんは難しく考えすぎだよ」
綾小路 清隆「...Aは、いつになったらオレのことを名前で呼んでくれるんだ？」
冷たい目線を 綾小路くんはこちらに向けて言った。
「それは...まだ、慣れてなくて......」
「ごめんね...」
綾小路 清隆「...オレが怖いか？」
「え、そ...そんなこと......」
マサト「A！なんで綾小路なんかと付き合い始めたんだよ...！」
「あ マサトくん...」
マサト「お前、そいつのこと好きじゃないんだろっ？」
「......」
マサトくんは黙り込んだ私の腕を掴んだ。
マサト「好きだとしても やめた方がいい！お前が理不尽な目に遭うのは 確実なんだぞ！」
「マサトくん、ありがとう。でも 自分から進んで綾小路くんと付き合い始めたから...」
マサト「だとしてもな...！！」
マサトくんが声を張り上げると、綾小路くんは私の近くに来てから マサトくんの手を掴み 振り払った。
綾小路 清隆「マサト、お前が口を出すことじゃない。」
綾小路 清隆「これ以上 Aに近づくのはやめてくれるか」
綾小路 清隆「Aはオレの彼女だ。」
綾小路 清隆「この立場を譲ることは絶対にない。」
綾小路 清隆「だから諦めろ」
そう綾小路くんは言うと、私の手を引いて マサトくんのいる方向と逆の方向を歩き始めた。
人があまりいない場所で 彼は立ち止まると、こちらを見た。
「綾小路くん、どうしたの──」
綾小路 清隆「清隆 だ。」
「え...」
綾小路 清隆「いい加減そう呼んでくれないか。」
綾小路 清隆「あいつのことはそう呼んでいるのに、オレのことはそう呼んでくれないのは 不公平だろ」
「わ...分かった......清隆...くん...」
そう呼ぶと、清隆...くんは 次に私の腕を掴むと その勢いで 壁に押し付けられた。
「痛っ...！」
少し悲鳴を上げた私の目をじっと見つめた清隆くんは、顔を近づけてきた。
綾小路 清隆「オレ以外の他の男に Aが触られるのはいい気がしない。」
そう清隆くんは言って、私を力強くも 優しく抱きしめたのだった──。
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作者名：CRONE | 作成日時：2024年3月11日 23時
