─学side─（後日談） ページ25
Aが生徒会に所属してから数週間───放課後、彼女の板についてきたその作業を流し目で見ていたとき...
堀北 学｢(もうすぐこの時間が終わる......彼女を帰らせないためには、どうするか...)｣
そう考えていると、目が合ったAは俺に微笑んでいた。
......最近...Aといるたびに 離れ難くなる。
彼女がこの部屋から出ていくのを阻止したいと思うようになってしまった。
堀北 学｢(...そうか...仕事を追加すればいいだけのことだ)｣
思いついた案を 早速実行に移した。
一つでも彼女がやるべき仕事を見つけては、引き受けて 引き受けて......気づけば 膨大な量にまで達していた。
生徒会室へ来ていた者には 明日は来なくていいと釘を刺しておいた。
堀北 学｢(決行日は明日。これでAを帰らせずに済む)｣
堀北 学｢(彼女はきっと、仕事を任されたら性格上 全部してしまうだろう。)｣
──作戦決行日、すぐに生徒会室には行かず 日が傾いてきたときに向かった。
堀北 学｢(上手くいったな)｣
外が暗くなった今も、彼女はここにいる。
｢学先輩 終わりましたよ｣
堀北 学｢そうか。だが、まだあとこんなに仕事が残っている。頼めるか？｣
｢...あの......本当に私がする仕事の中で、その量を今日中に終わらせないといけないんですか？｣
堀北 学｢...お前なら知っているはずだ。私が今まで任せた仕事で、無駄だったものはあるか？｣
｢な...ないです...。｣
堀北 学｢そうだろう｣
堀北 学｢...疲れてきたのなら、休憩してもいいぞ｣
｢いえ...もう少しで終わるので 頑張り──｣
堀北 学｢無理をして倒れたらどうする｣
｢そ、そんなこと...｣
堀北 学｢お前の顔はそんな顔をしているが。｣
｢......｣
自分の席を立ち、黙り込んだ彼女に近づいてから
堀北 学｢ゆっくりでいい。お前には疲れを取る行為も必要だ｣
体を押し倒し 俺は羽織っていたブレザーを脱ぎ、彼女へとかけた。
｢学先輩...すみません、私......｣
一日中 膨大な量に目を通したことで疲れていたのか、言葉を紡ぐ前に 彼女は静かな寝息を立てた。
堀北 学｢(...これでAを明日も明後日もここに縛りつけられる)｣
堀北 学｢やっと手に入れた。｣
彼女の寝顔を見て、今の状況に満足した俺は そっと目元に口づけをした。
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作者名：CRONE | 作成日時：2024年3月11日 23時
