放課後の彼 (ページ2)

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教室へ（前編）ページ2

「教室に行こう」

そう言った私は、教室で待っているという彼のところへ向かった。

扉を開けると、彼が窓際の席の近くへ立っていた。

「綾小路くん、来たけど......」

そう発言し、彼に近づいた。

綾小路清隆「来たか。」

私が彼に近づいたことで、彼は私に視線を向けた。...相変わらず、何を考えているのか分からない無表情だった。

「急にどうしたの？全部の授業が終わったあと、すぐに放課後来るように言われて...ちょっと焦ったよ」

苦笑する私を横目に、彼は私に近づいた。

綾小路清隆「お前に話があったんだ。」

「私に...？」

彼とは、堀北さんほど話したことがなかった。

たびたび試験で顔を合わせる程度で、ここに呼び出される理由は一つとして思い浮かばない。

「えーと...私、何か綾小路くんにしちゃったかな...？」

彼の反応をうかがうようにして訊ねるが、無表情なままだ。

綾小路清隆「何かをされたというほどではないが、最近毎日のようにお前の顔が脳内に映し出されるんだ」

「え」

綾小路清隆「なんでずっとAが映し出されているのか分からないから...」

綾小路清隆「本人に直接聞けば解決できると思ってな。」

「ちょ...ちょっと待って...？」

綾小路清隆「どうした？」

「いや......私にもその原因、分からないから...どう反応すればいいのかなって...」

綾小路清隆「Aにも分からないのか...」

「う、うん...ごめんね？」

綾小路清隆「気にするな。オレの方こそ、よく分からない質問して悪かった。」

「大丈夫だよ」

私はそう笑顔で言った時、私の端末に着信が入った。

「？ ...あ、マサトくんからだ。」

綾小路清隆「確か...お前と仲がいい、男友達だったか？」

「そうだよ。ごめん、ちょっと電話出てきてもいい？」

綾小路清隆「ああ、大丈夫だ」

綾小路くんの返事を聞いた私は、教室から出て電話に出た。

「マサトくん、どうかした？」

マサト『A、今どこにいる？』

「え？教室の前...だけど......」

マサト『...すぐ向かう！』

「そ、そんなに慌ててどうしたの...？」

マサト『とにかくAが危ないんだ、できればそこから離れてほしい！』

「どうして...」

マサト『「綾小路」ってやつがいるだろ』

マサト『前にお前と話してる時、すごい形相で睨んできたんだよそいつ...。』