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しあわせ ページ44

健太 side.




俺の腕の中で泣き続けたAは泣き疲れたのか突然静かになってそのまま俺にもたれかかって眠り始めた。寝息を立てるAをそっと抱き上げて、懐かしい寝室へ運ぶと優しいAの香りが部屋中に広がった。


「けん、………た、」
健「ん?おれここにいるよ?」


まだ完全に眠ってなかったか、そう思って優しく返事をしたものの逆にAからの返事は返ってこない。……まさか寝言?そっとAの頭を撫でてみると瞳を閉じたAの顔が少し笑ったような気がした。


「ん………、」


それからしばらく眠り続けたAが、ふと目を覚ました。ぼんやりとしながら薄く目を開いて俺を視界に捉えたAがほっとしたように笑った。


健「おはよ。どうしたの?」
「んーん…けんただあっておもって」
健「なにそれ(笑)健太ですよー」
「ほんとに、けんたがいる……」


まだ眠いのかとろんとした顔でそう言ったAが無性に愛おしくて、なんていうかすごく抱きしめたい。そっと抱き寄せてぎゅうっと抱きしめると、Aも俺の背中へ腕を回した。


健「A、あの、」
「うん……?なに…?」
健「キス、してもいいですか」
「え……なんで聞くの?」
健「一応…聞いとこっかなっておもって」
「…だめって言ったらしないの?」


上目遣いでそんなことを言い出すAが可愛すぎてキュンとすると同時に頭を抱える。これが無意識なんだとしたら瑠唯や他の男たちと会ったときもこんなことしてたんだろうか。


健「…だめって言われてもするよ」
「ふふ、…じゃあ聞かないでよ」
健「これからは聞かない。我慢もしない」


そう言った俺にAが何かを言いかけたけど返事を待たずに唇を重ねた。久しぶりにするキスは甘くて柔らかくて、気持ちが満たされていくのがわかる。なんでAとのキスはこんなに他の女と違うんだろ。キスして幸せなんて思ったこと今までなかったのに。


「ん………っ、けんた、?」
健「…やばい、おれしあわせ」
「しあわせ?」
健「…しあわせすぎて死にそう」
「大げさだよ、」


ふふっと笑うAがどうしようもないくらい愛しくてそんなAを抱き寄せてもう一度キスをした。きっと今のおれ、あのときのまこっちゃんと同じ顔してるんだろうな。




ここにいる→←もう一度



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sanaman.(プロフ) - ★★★★★ (2020年3月30日 3時) (レス) id: 70769692b3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いけめんくん (2020年2月21日 6時) (レス) id: 0498cf0682 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺこ | 作成日時:2019年9月15日 10時

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