いけめんくん拾いました【神谷健太】 (ページ5)

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妹ページ5

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ラーメンを食べながら話してくれた健太の話によると、健太は地元で最強のヤンキーと呼ばれていたらしい。中学の頃から喧嘩三昧の日々で気付けば地元で一番強くなってて、地元ナンバーワンとなれば他の地域からも喧嘩を挑みにくる人もたくさんいて。高校まではそれが楽しかったけど、そんな毎日に飽きちゃったって。自分のことを知ってる人がいないところへ行きたいと思うようになって、高校卒業してすぐ地元を飛び出してきたんだとか。

「……壮絶な話なことで」
健「そう？普通じゃない？」
「少なくともわたしの周りでは普通じゃないですね」
健「まあそんなこんなでさ、しばらくここにいさせてね！ありがとう！」
「まだなんも言ってないんですけど…」

ごちそうさまでした！とラーメンを綺麗に平らげた健太はスマホを取り出し画面を見て顔を綻ばせた。なんだろう、と不思議に思うわたしに気付いたのかにこにこしながらスマホの画面をわたしの方へ向けてきた。

健「見て！」
「うわ、めっちゃ美少女！！」
健「でしょ、ほんっと天使なんだよ～」
「健太の彼女さん？」
健「彼女……？ぶはっ、違うよ～！俺の妹！」

一瞬ぽかんとしたかと思えばすぐに笑って妹だと言う健太。写真をもう一度見せてもらって健太と見比べると、確かに似てる気がする。お目目ぱっちりなところとか、顔が小さいところとか。

健「…妹のためでもあるんだよね」
「え？」
健「俺が地元離れた理由。俺がいたらいろんなやつに狙われて絡まれるからさ」

妹のこと守りたくて。そう言って少し寂しそうに笑う健太の表情は、さっきまでとまるで別人のようだった。

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