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彼のこと ページ31






瑠「まず今だけど、あいつ地元にいるよ」
「え、…そうなんですか」
瑠「突然ふらっと帰ってきたみたいで、俺にも連絡なかったし他の昔の仲間たちにも連絡してなかったみたい。でもあいつ有名だからさ、神谷健太が帰ってきてるって噂になってて。俺もこの間ちょっと会ったけどなんか様子変だったな」


与那嶺さんの話では健太はわたしの家をでて、地元に帰っていたらしい。今は普通に実家で生活をしてて、どうして急に地元へ帰ってきたのかはだれもわからないらしい。様子が変だった、と言ったとき与那嶺さんはちらりとわたしを見て、眉を下げて笑った。


瑠「まあ、帰ってきた理由の見当はだいたいつくけどね」
陸「見当って?」
瑠「Aさん、あいつに妹いるのは知ってる?」
「あ、はい…なんとなくお話は、」
瑠「たぶん帰ってきた理由はその妹だと思う」
陸「どういうこと?」


眉間にシワを寄せながら与那嶺さんに聞く陸さんの声を聞きながら、健太に会った日のことを思い出した。地元を離れたのは妹のためでもある、と悲しそうに笑ってる健太を思い出した。……それも何か関係あるんだろうか。


瑠「健太が喧嘩し始めた理由、聞いてる?」
「……知らないです」
瑠「そっか。本当は本人から聞いた方がいいんだろうけど…あいつ元々は別に素行が悪かったわけじゃないんだよ」
「え?でも…最強のヤンキー、って」
瑠「うん。でも、それも妹を守るために喧嘩してたら勝手にそう言われるようになっちゃっただけ」


あいつ、元は喧嘩したくてしてたわけじゃないんだよ

そう言った与那嶺さんはきっと健太の全部を知ってるんだって思った。二人がどういう関係なのか、それはわたしにはわからないけれど、きっとこの人は健太の全部を知ってる。なんとなく、そう思った。


「………与那嶺さん、もう良いです」
陸「え……Aちゃん、いいの?」
「はい…あとは健太の口から聞きたいので。って言っても、もう会えないかもしれないけど」


へら、と笑ってそう言ってみれば心配そうな顔をしてた陸さんがそっか、と優しく笑った。与那嶺さんにもう一度改めてお礼を言って、わたしはグラスに残ったビールを飲み干した。





待っててあげて→←陸さんの知り合い



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sanaman.(プロフ) - ★★★★★ (2020年3月30日 3時) (レス) id: 70769692b3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いけめんくん (2020年2月21日 6時) (レス) id: 0498cf0682 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺこ | 作成日時:2019年9月15日 10時

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