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訳ありくん ページ3






「おねーさん、俺のこと拾ってくれない?」


ね、意味がわからないよね?うん大丈夫、わたしが一番わかってないから。にこにこ笑いながらも確かにそう言った目の前の青年は笑ってるものの冗談を言ってるとは思えない。


「あ、の…拾う、とは?」
「しばらく俺のこと家に置いてほしーの!」
「……いやいや、そんな映画やドラマじゃあるまいし」
「お願い!行くあてないんだよ俺!」


パンッ!といい音を立てて両手を合わせられても、はいそうですかじゃあおいでませ〜なんてなるわけないから!一応年頃の女の一人暮らしに同い年くらい、もしくは若干年下の男の子を住まわせるなんてあり得ないから!!


「だ、だいたい家ないなんてそんなこと」
「ホントだって!もー信じてよ!」
「いやだってさあ、」
「助けてあげたじゃん!」
「そっ、れは…また話が別でしょ!」
「別じゃないよ!同じ!」
「てかそれはずるいよ!断れないじゃん!」


そうこう言い合うこと数分。素性の知らない人を家に招き入れるほどわたしも不用心ではないし貞操観念も緩くない。そう言えば「こんな時間にこんな路地一人で歩いてるくせに」とボソッと言われた。…くそう、言い返せない。


「…いやでもやっぱり、」
「っ、黙って!!」


無理だよ、と言いかけたとき、突然顔つきの変わった青年にいきなり口を手で覆われて喋れなくなる。わたしを自分の体で隠すように覆い被さる彼。路地の抜け道の向こう側でバタバタと走り回る音がして、そちらをさっきまでとは正反対な怖い顔で睨みつける彼は一体何者なんだろう。


「…あっぶね、」
「んんっんんんんっ!」
「え?あ、ごめん!大丈夫!?」


息苦しくて必死に訴えてたら慌てて手を離してあわあわする青年。さっきまでと別人すぎてもういっそ怖いわ、なんて思いながらもこの彼がなんか訳ありなことだけはわかる。さっきの感じ的になんか追われてる、っぽいし…


「……うち、くる?」
「え……いいの!?」


気付けばわたしは青年を家に招いていて、疲れが溜まるとろくなことがないな、と心の中で自嘲した。





いけめんの正体→←拾ってください



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sanaman.(プロフ) - ★★★★★ (2020年3月30日 3時) (レス) id: 70769692b3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いけめんくん (2020年2月21日 6時) (レス) id: 0498cf0682 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺこ | 作成日時:2019年9月15日 10時

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