いけめんくん拾いました【神谷健太】 (ページ15)

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したくなったからページ15

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「な、んで…」
健「…したくなったから？」

唇を押さえてぽかんとするわたしに微笑む健太はやっぱり見たことない顔だった。軽々とわたしを抱き上げて寝室へ向かい、ベッドに優しく降ろされるとまた唇が降ってくる。

「んっ…けん、」

唇が離れてふと絡む視線。相変わらず優しく笑う健太が照明を落とし、そのまま二人でベッドに沈んだ。

ふと目が覚めたとき室内は暗くて、まだ夜が明けきってないことを知った。ぼーっとする頭で必死に考えてやっと動き出す思考回路。…そうだ、わたし、健太と。思い出して身体中の熱が顔に集まるのがわかって一人ベッドで悶えていると、ガラ、と寝室のドアが開いた。

健「あれ、起きた？」
「あ……健太……」
健「まだ暗いし寝てなよ、身体しんどいでしょ」

暗闇の中へ入ってきた健太はシャワーを浴びてきたらしくふわりといい香りがした。首にかけたタオルで頭を拭きながらベッドの淵へ腰をおろす健太がくしゃ、とわたしの頭を撫でた。……待って、健太ってこんなかっこよかったっけ？

健「…なに？」
「え？い、いや、なんでもない！」

なにも身につけてない引き締まった上半身、タオルでガシガシと拭いたせいで無造作に乱れた髪。全てが色っぽくて気付けば健太を見つめてたらしい。慌てて顔を背けると後ろからふ、と健太の笑う声がした。

「な、なに………っ！？」

逸らした顔を戻した瞬間ちゅ、と可愛らしい音を立てて重なる唇。一瞬、触れるだけのキスをしてすぐに離れた。

健「したくなっちゃった」
「～～～っ！！」

ふにゃりと笑う健太に何も言葉が出なくてシーツを必死にかぶって顔を隠すと不意に隣に健太が寝転ぶ感覚。そっとシーツから顔を出すと、まだ少し濡れたままの頭を支えながらわたしを見つめていた。

「な、なに……？」
健「…んーん、なんでも」

優しく微笑みながらふわふわとわたしの頭を撫でる健太。それが心地よくて目を細めると、だんだん眠気が襲ってくる。頭を撫でていた手と反対の手でそっと手を握られてついに眠りに落ちかけたとき、

健「………おれもすきだよ」

掠れたような低い健太の声を聞いて、わたしはそのまま眠りに落ちた。

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