いっくん2 ページ9
、
樹「ん、バスタオルあった」
「あ、ありがと」
たどり着いた保健室には誰もいなかった。適当に引き出しや棚を漁ってバスタオルを取り出し、Aに渡して俺も体を拭きながらソファに腰をおろすとAも俺の隣に座った。
樹「……ごめん」
「え?」
樹「水、かけられたの俺のせいかも」
不思議そうな顔をするAに今朝知らない女に告白されたこと、さっき水をかけられたとき屋上にその女がいたことを話した。
樹「ごめん、」
「いっくん……すごいね」
樹「え?」
「やっぱりいっくんはモテるな〜」
ニコニコ笑って、少し誇らしげな顔をするAにぽかんとする俺。いやいや、俺のせいで水ぶっかけられてんのに何そんな呑気に、
「で、告白どうしたの?付き合うの?」
樹「いや…OKしてたらこんなことになってないでしょ」
「あ、そっか……」
そう言ってしゅんとするAからタオルを奪ってわしゃわしゃと頭を拭けば「ちょ、いっくん!」と慌てたようなA。
「もうっ髪型崩れる!」
樹「濡れた時点で崩れてるから」
「あはは、たしかにそうだね」
けらけらと可笑しそうに笑うAがどうしようもなく愛おしくて、思わず細い腕を引いてAの体を抱き締める。お互いびしょ濡れのワイシャツ越しにAの体温が伝わってきてそれが心地良かった。
「い、っくん…?濡れてるから冷たいよ…?」
樹「ん…ごめん、もうちょっと、」
小さくそう言えば遠慮がちに俺の背中に回されたAの腕。Aの髪から香る優しい香りはやっぱり安心する。…どうしようもないくらい、好きだ。その気持ちを口にする勇気がない俺は、いっそ抱き締める力で伝わればいいのになんて思いながらAの背中に回した腕に力を込めた。
、
595人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや - 読ましてもらってますこれからもがんばってください!!!!!!!!!!! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 674af23c92 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - 佐野慎さん» ありがとうございます!わたしもまことくん推しでついまことくん贔屓になるのでぜひまこ推しの方に読んでいただきたかったので嬉しいです、、! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 73513cd31a (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - 狼さん» ありがとうございます、、!これからも守られますよ〜〜!! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 73513cd31a (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - さくらさん» お返事遅くなりました、、ありがとうございます!これからも更新頑張ります!! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 73513cd31a (このIDを非表示/違反報告)
佐野慎(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!!まこっちゃあああん(推し)!!無事であってほしいです…!急なコメント失礼しました笑。 (2019年9月15日 20時) (レス) id: eb52afa9d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぺこ | 作成日時:2019年8月31日 13時