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『わー!!!すごっ!恵天才じゃん!!!』
これでもかと言うほどに落ちてくるチョコ達を見て私は声をあげていた。
すると、それを見ていたのであろうお店の人が鐘を鳴らし「おめでとうございまーす!」とマイク越しで言いながらやって来くる。
こんな待遇このゲーセンに通い詰めて初めての経験だ。
しかし注目されるのが嫌いな恵は「マジか」と面倒くさそうな顔をしている。
私はと言えばそんな初の経験に更にテンションが上がってしまい、袋を持って来てくれた店員さんとそのまま談笑していた。
「この山崩せる人なかなかいないんですよ!」
『そうなんですか!こんなにたくさんのお菓子夢みたいで嬉しいです!!』
機嫌を取るのが上手い店員さんに乗せられて私がペラペラと話し笑っていると、店員さんが悪びれもなく「彼氏さん本当お上手ですね!」と恵の方を向いた。
途端、私と恵の間に走る気まずい空気。
さっきまでの私のテンションもガタッと下がり気味になり、え゛、と心の声が漏れそうなるがグッと堪えた。
しかし店員さんは止まらない。
「私よく見てたんですよ!いつも2人で来て彼氏さんがよくぬいぐるみ取ってますよね!2人見てると本当可愛いなって思って」
ひっそり癒しにしてたんです〜と、明るく話してくれる店員さんの言葉を遮ることもできず苦笑いをする。
やめてくれよ、そんな目で見られてたなんてクソ恥ずかしいじゃん。やめてくれよ!
もうゲーセン来るの気まずいじゃん!
そう叫ぶ私の心の声は届いていないだろう。
急いで景品のチョコレートたちを袋に詰め、『あ、ありがとうございました!』と店員さんから逃げるようにしてその場から去った私達。
『...まじで地獄かと思ったわ』
「勘違いもいい所だな」
ひと息着いた私達はフードコートでアイスを食べていた。
ゲーセンに2人きりでいる事が気まずくなったものの、野薔薇と悠仁はバッティングに夢中になっていて声を掛けても気付く気配ゼロ。合流できる雰囲気じゃなかったので仕方なしだ。
しかし、あんなことを言われてしまえば年頃である私達は変に気まずくなり口数も減る。
普段なら無言であろうと片方がペラペラ喋ってようとなにしてようと、気にもならないほどに打ち解けている仲なのに今日だけは無性に気まずい。
アイスだけを食べる手が進んだ。
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pikaito00(プロフ) - シン宣の歌詞に釣られてみに来ました^_^ (2021年5月4日 7時) (レス) id: 158c9172ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆんな(プロフ) - めっちゃ最高です。一番大好きな小説になりました。更新楽しみにしています。 (2021年4月30日 3時) (レス) id: 41833ceea4 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン食べた〜〜い(プロフ) - すごく最高です!楽しく読ませてもらってます!恵くん推しには堪らないです。。。すごくきゅんきゅんしながら読んでます!これからも更新楽しみにしてます! (2021年3月30日 4時) (レス) id: fbfb7b9b9e (このIDを非表示/違反報告)
うさぎあめ(プロフ) - りなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(T_T)過去最高だなんて!本当に私には勿体ないお言葉すぎます...!でもそう言ってもらえて、私も更新するのが楽しみになります(T_T)!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2021年3月29日 22時) (レス) id: 45c7681717 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - めちゃめちゃ最高です。今お気に入りにしているどの小説よりも過去最高レベルで好きです!更新が楽しみで楽しみで仕方ないです笑笑 これからも頑張ってください!応援してます! (2021年3月29日 14時) (レス) id: c3fe6adbae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うさぎあめ | 作成日時:2021年3月20日 7時