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今日は午後から1年生4人での任務が入っていた。
恵と2人きりの任務では無いものの、私としては4人での任務もなかなかに気が進むものではなかった。
その為気分が上がらない。
任務となれば私情など挟める訳がない事はさすがに理解していた。
こんな恋心のあまり「気まずい」という理由で協調性を無くし、周りに迷惑をかけてしまう事態など許されるはずがないのだ。
...けれど、そんな状況が高校生のウブな私の心にはすごく重く感じてしまっていた。
行きたくない。
行きたくない。
...でも行かなくてはならない。
そろそろ正午を指そうとしている時計を見つめては、また溜め息をひとつこぼしていた。
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しかし、嫌だ嫌だと思っている物事ほど早くやって来るものだ。
あれからすぐに午後を迎え、お昼を済ませた私達は早くも任務へ向かわされていた。
「現在確認の取れている呪霊は2級相当が2体、3級相当が複数体。2級呪霊は校舎三階の科学室付近で確認されています___」
車内では伊地知さんが今回の任務について説明をしてくれている。その隣の助手席に私は座っていた。
普段ならその場の成り行きで誰かが座る助手席だけど、今日は私が率先して座った。
それも恵と隣同士になるのを避ける為だ。
今回の任務の行き先は数年前に廃校になったという中学校だった。
それ程強い呪霊が出る訳ではないものの、呪霊の数が多く、今後予定している取り壊し工事の際に被害が出ないようにとの事らしい。
「まー、今回はそこまで手強くなさそうね」
「3級くらいなら余裕で祓えそうだな!なぁ伏黒!」
「あぁ。まぁでも油断はすんな。何が起こるかはわかんねぇからな」
後部座席から聞こえてくる3人の会話を聞きながらウンウンと頷いていれば、急にその3人の視線が私に集まっていることに気がつく。
どうやら恵の言った「何が起こるかわからない」で、以前、私が1級呪霊に襲われて怪我をした事を思い出したようだ。
『あはは、大丈夫大丈夫。これでも意外と強いんだよ私』
「あれだけの怪我負ってた人のセリフじゃないでしょーが」
心配する3人を他所に大丈夫大丈夫と笑えば、ぴしゃりと野薔薇がツッコんでくる。
その鋭いツッコミは、図星なのもあり、私の心にグサリと刺さった。
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pikaito00(プロフ) - シン宣の歌詞に釣られてみに来ました^_^ (2021年5月4日 7時) (レス) id: 158c9172ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆんな(プロフ) - めっちゃ最高です。一番大好きな小説になりました。更新楽しみにしています。 (2021年4月30日 3時) (レス) id: 41833ceea4 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン食べた〜〜い(プロフ) - すごく最高です!楽しく読ませてもらってます!恵くん推しには堪らないです。。。すごくきゅんきゅんしながら読んでます!これからも更新楽しみにしてます! (2021年3月30日 4時) (レス) id: fbfb7b9b9e (このIDを非表示/違反報告)
うさぎあめ(プロフ) - りなさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(T_T)過去最高だなんて!本当に私には勿体ないお言葉すぎます...!でもそう言ってもらえて、私も更新するのが楽しみになります(T_T)!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2021年3月29日 22時) (レス) id: 45c7681717 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - めちゃめちゃ最高です。今お気に入りにしているどの小説よりも過去最高レベルで好きです!更新が楽しみで楽しみで仕方ないです笑笑 これからも頑張ってください!応援してます! (2021年3月29日 14時) (レス) id: c3fe6adbae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うさぎあめ | 作成日時:2021年3月20日 7時